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第四章〜原子力発電所〜


先生 次は「原子力発電」だ。どうやって発電するかは…想像できる?
男生徒 …わかんないな。でも、なんかすごいことが起きてそうだね。
女生徒 ちょっと難しいな…いきなり「原子力」って言われても。
先生 やっぱりいきなりじゃわかんないよね。
とりあえず、どうやってタービンを回しているか考えてみようよ。
男生徒 水力は水、火力は火だから…やっぱりその「原子力」を使ってるんだよね。
先生 そう。仕組みは火力発電によく似ているんだ。
火で水を温める代わりに「原子力」を使っているよ。
女生徒 じゃあ、いったいその「原子力」ってなんなのかしら?
先生 「原子力発電」は「ウラン」という物質を「核分裂」させた熱で水を温めているんだ。
男生徒 「ウラン」を「核分裂」?いきなりわかんなくなっちゃった…
先生 、じゃあ先に「ウラン」から説明しようか。「ウラン」は天然の物質の中で「核分裂」できる唯一の物質なんだ。
それに、火力発電で使う石油や石炭より地球上にたくさんあるから、安定して供給できるんだ。
女生徒 つまり、地球から自然にとれて「核分裂」できる物質で、石油や石炭よりいっぱいあるってことなのね。
先生 それで「核分裂」っていうのは、「ウラン」のなかのエネルギーがほかの「ウラン」と行ったり来たり
入れ替わったりすることで、とても大きなエネルギーを発生させることなんだ。
男生徒 じゃあ「ウラン」がほかの「ウラン」と反応しあうとエネルギーが発生するってことなんだね。
でも、これのなにがすごいのかな?
先生 この方法を使えば、少しの「ウラン」から大きなエネルギーを発生させられるんだ。
「ウラン」は少しでいいから運ぶのにもお金がかからないしね。
それに、二酸化炭素などの地球温暖化に関係する悪い物質もでないんだ。
女生徒 それって今までの発電方法で一番効率よく発電できるんじゃない?
安定して供給できて、少しの量でよくて、地球にもやさしいんでしょ!
先生 でも、やっぱりすべていいわけじゃないんだよ。みんな「原子爆弾」は知っているよね。
男生徒 もちろん。広島と長崎に落とされた爆弾でしょ。
先生 実はその「原子爆弾」の原料がこの「ウラン」なんだ。
女生徒 えっ、そうだったの!
先生 「ウラン」の強力なエネルギーは兵器にだってなってしまうんだよ。
だから悪用されないように、しっかりと取り締まらなければいけないんだ。
男生徒 そうだったんだ…やっぱりエネルギーの多いものは扱いが難しいんだね。
先生 それに、この「ウラン」は発電に使ったあと「放射線廃棄物っていうのに変わるんだ。
女生徒 「放射性廃棄物」?つまり発電したあとの「ゴミ」ってこと?
先生 そうだけど、ただの「ゴミ」じゃないんだよ。ちょっとあつかいがやっかいなんだ…
男生徒 あつかいがやっかい?どんな問題があるの?
先生 「放射性」って書いてあるだろ。これは「放射線」っていう体に悪いものを出すんだ。
わかりやすく言うと病院でレントゲン検査はやったことあるかな?
男生徒 やったことあるよ。骨折したときにね…
先生 あれはX線っていうのを体にあてて写していて、その仲間なんだ。もちろんX線は体にあまり影響はないよ。
ただ、「放射線」は浴びるとガンや白血病などの重い病気にかかりやすくなるんだ。
女生徒 それは大変!今はどうやって捨てているの?
先生 今は、地下深くに埋めているんだ。「放射線」の影響が出ないくらい深くにね。
男生徒 そうか、地下に埋めていたのか。でも、これからも埋めていくの?
先生 よく気付いたね。このままだと、当然埋める場所がなくなってしまうんだ。
この「放射性廃棄物」をどうやって安全に捨てるかがこれからの問題なんだよ。
女生徒 そっか。やっぱりいいことばっかりじゃないんだね。
それに、起きてからじゃとりかえしのつかない問題ばっかりなのね。
先生 そう。だから安全確認や、事故の防止を一番にやらなくちゃいけないんだ。
目先のエネルギーにばかりとらわれてちゃいけないんだよ。
男生徒 そうだね。じゃあ、今度はもっと安全で地球にやさしい発電を教えてよ。
先生 じゃあ、次はクリーンな発電を見に行こう。


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