このサイトでは「生活」に利用されている放射線について、基礎知識や利用方法などの情報をわかりやすく紹介しています。
放射線についての理解を深めていただくことが私たちの願いです。

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1.放射線ってなに? 2.放射線の人への影響 3.放射線の歴史

2.放射線の人への影響

なぜ人体に影響があるの?自然放射線の影響内部被ばくと外部被ばく
影響は考え方次第?リスクの大きさ

◆なぜ人体に影響があるの?

放射線の人体に与える影響を知るためには、なぜ放射線が人体に影響を与えるのかを知る必要があります。

放射線は主に細胞のDNAを傷つけます。細胞は自分自身でこれを修復しますが、修復できなかった細胞が残ると、がん細胞になってしまいます。通常ならなら、細胞が自滅してがんになることはありません。しかし、大量に放射線を浴びると修復や自滅が追い付かなくなってしまうため、がんになってしまいます。

このため、長い時間に少しずつ放射線を浴びるほうが、一度に同じ量の放射線を浴びるより人体への影響が小さいといわれています。

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◆自然放射線の影響

放射線は人体に影響を与えます。しかし、普通に生活する上では特に心配する必要はありません。

私たちは年間約1.5mSvの自然放射線を浴びています。しかし、がんの過剰発生が確認されているのは100mSv以上の被ばくからなので、単純に計算しても66歳半ばでやっと発がん率が上がることになります。しかも、長い時間に少しずつ放射線を浴びているので、人体への影響はほとんどないといえます。

また、食べ物にも基準値が設けられているので心配する必要はありません。もしも基準値を超えたものを食べてしまったとしても、基準値は毎日食べ続けた場合を想定した値なので、少しくらい食べても問題はありません。

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がんによる死亡者が増える線量(累計) 100mSv
一年に浴びる自然放射線(ブラジル) 10mSv
一度のCT検査で浴びる線量 6.9mSv
一年に浴びる自然放射線(世界) 2.4mSv
一年に浴びる自然放射線(日本) 1.5mSv
一度の胸のX線検診で浴びる線量 0.05mSv

 

◆内部被ばくと外部被ばく

外部被ばく」とは、宇宙や大地からの放射線による体の外からの被ばくのことを言います。逆に「内部被ばく」とは、空気や食物から取り込んだ放射性物質がだす放射線による、体の中からの被ばくのことを言います。この2つは人体への影響が異なります。

部被ばくの場合
透過力が小さい放射線(α線・β線)は皮膚で止まってしまうので、皮膚がダメージを受けます。しかし、体の内部の器官にはダメージを与えにくいので、人体影響は小さくてすみます。
透過力の大きな放射線(γ線)は皮膚を通り抜けて器官にダメージを与えやすいので、人体影響が大きくなります。

部被ばくの場合
透過力が小さい放射線は人体の内部で器官にダメージを与えやすいので、影響が大きくなります。
透過力が大きい放射線は人体の内部から外部へ出て行くため器官にダメージを与えにくく、影響が小さくなります。

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◆影響は考え方次第?

人体への影響があることはわかっていても、その「大きさ」は今のところよくわかっていません。 低線量被ばくの場合、国や機関によって発がん率の考え方が異なります。

国際放射線防護委員会(ICRP)
被ばく量に比例してがんリスクが高まる(LNTモデル)という考え方を支持しています。

フランス医学アカデミー
100mSv(しきい値)以上の被ばくからがんリスクが高まるという考え方に賛成しています。

他にも「低線量ならば発がんリスクを低くすることができる(ホルミシス)」という考え方もあります。
「ラジウム温泉が健康にいい」と聞いたことはありませんか?これはラジウムが出す放射線が有益に働くといわれているからです。

日本はまだ見解を示していません。

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資料提供:井尻憲一

 

◆リスクの大きさ

放射線を浴びた量に応じてがんになる確率が上がるとするならば、私たちの普段の行動は次のように置き換えられます。

おそらく世の中には、「がんになる確率が上がるなら、できる限り放射線を浴びる機会を少なくするべきだ」と考える人が多いことでしょう。

そうあるべきかもしれません。しかし、放射線のリスクは思いのほか小さいものです。人によっては大きいと感じる人もいるかもしれませんが、どう感じるかは人それぞれなのです。

私たちは放射線と付き合って生きていかなければいけません。私たちは自然放射線を浴びながら生きてますし、食べるものにも放射性物質が少なからず含まれています。一定の基準値は必要かもしれませんが、そのために私たちが住みにくくなっては元も子もありません。

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  10万人に一人死亡する行動
放射線の被ばく 2mSv(約10ヶ月に浴びる自然放射線)
自動車 1000km
たばこ 一生で30本
アルコール ワイン5本
ロッククライミング 15分
60歳の生活 3時間20分

資料提供:井尻憲一

(参考)

がんによる死亡者が増える線量(累計) 100mSv
一年に浴びる自然放射線(ブラジル) 10mSv
一度のCT検査で浴びる線量 6.9mSv
一年に浴びる自然放射線(世界) 2.4mSv
一年に浴びる自然放射線(日本) 1.5mSv
一度の胸のX線検診で浴びる線量 0.05mSv

 

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