カリンガ文字


カリンガ文字は、ブラーフミー語から派生した文字のひとつ。十二世紀には用いられなくなり、ブラーフミー系文字が代わって使われてカリンガ文字と混合し、現在のオリヤー文字となった。

漢字


漢字の起源は三皇五帝の黄帝が、史官蒼頡に命じて造らせ、蒼頡は鳥の足跡に字形のヒントを得た。これが漢字の祖型となる。その後、周代の金文を経て、諸国の様々な字形が秦の始皇帝によって統一された。これが漢の時代に完成したので漢字と呼ばれている。第二次世界大戦後、日本の文部省は当用漢字を制定し、漢字の原理を無視した新しい字体を創造した。さらに中国の毛沢東は様々な異字体を簡易体として造り出した。そのため東アジアには3種類の漢字が広がった。

カンナダ文字


カンナダ文字は、ドラヴィダ人の中で最も古い言語のひとつでカルナータカ州(南インド4州のひとつ)の公用語となっているカンナダ語を表記するための文字。古代インドのブラーフミー文字から派生した文字のひとつであり、書字方向は、他の派生文字と同じく、左から右への横書き。

契丹文字


契丹文字は、契丹で一〇世紀の初めに作られたモンゴル系の文字。遼代および金朝初期に用いられた。漢字に似た字形をしているが、現在もまだ十分には解読されていない。

キプロス音節文字


紀元前六世紀から三世紀のキプロス島で使用されていまいた。すでに解読されています。

ギリシャ文字


ギリシャ語は最初線文字Bによって表されていた。線文字Bは日本の仮名と同じ音節文字であったが、紀元前千二百年頃までに使われなくなってしまう。その後、ギリシャ人は文字の表現にフェニキア文字を使った。ここでギリシャ人はそこに二つの重大な発明を加えた。一つは子音字ばかりのフェニキア・アルファベットの中の数個を母音文字として使い、子音字の後に母音字を並べることで簡単に音節が表記できるようになった。もう一つは右からの横書きであったフェニキア文字を一行目は右から、二行目は各字が全部裏返って左から、三行目は一行目と同じという牛耕式にし、その後左からの横書き一本に統一したことだ。子音字と母音字を交互に並べ、左から右へ横書きする表記法はラテン文字やロシア文字にも引き継がれ、今ではほぼ世界的な表記法として定着している。

グジャラート文字


グジャラート文字は、インドのブラーフミー文字から派生した文字の1つ。主にインドのグジャラート州で話されているグジャラート語を表記するのに用いられる。アブギダの一種。書字方向は左から右への横書きである。

グプタ文字


4〜6世紀半ばまグプタ朝(320〜550?)で使われていた北方ブラフミ文字の一種。

クメール文字


クメール文字はインド南部の文字がヒンズー教とともに導入されたのを基礎として独自の発達を遂げており、七世紀頃のものが最古とされている。各時子音はオ母音を含む音節文字で、上下左右に母音を替える記号をつけるやり方をとっている。ところが各字の上に波型の飾りをつけて字に荘厳味を持たせることが行われ、これが現在のクメール文字にも上のなんとか型として残り、クメール文字の外見的特徴となっている。

グラゴル文字


スラヴ圏最古の文字。東ローマ帝国の知識人であったキュリロス(827〜869)とメトディウス(826〜885)の2人が860年ごろ聖書をスラヴ語圏に輸出するために発明した文字。のちにキュリロスの弟子らがグラゴル文字を改良し、キリル文字となった。その後キリル文字が主流となったものの、クロアチア語の表記に近代まで使用されていた。
※現在も協会では一部使用されている。

クリー文字


1840年にイギリス出身の宣教師ジェームズ・エヴァンスによって開発。当時カナダではクリー語及びオジヴエー語が使用されていたが、記録としての文字技術はなかった。そのためにエヴァンスが、聖書をクリー語でも記せるように新しい文字体系を考案し提案したとされる。

グルジア文字


グルジア語の他に、かつてはアブハズ語やオセット語の表記でも用いられていた。
アルファベットの文字体系に属しており、ラテン文字等と同様に左から右へ書かれる文字である。
かつてはフツリと呼ばれる字形が用いられ、それらは大文字 (アソムダヴルリ) と小文字 (ヌスフリ) に相当する物が存在していた。現在使用されているムへドルリという字形は大文字・小文字の区別がない。

グルムーキー文字


グルムーキー文字はパンジャプ語の表記に用いられる。15世紀にこの辺りにシーク教が興った時2代目シーク・グル(教父の後継者)はシーク教典を正確に伝えるためデーバナーガリーのシステムを参考にしてランダ文字を改良した。これをグルムーキー(グルの口)という。今ではシーク教徒に限らず使っているがグルムーキー文字はそんな訳でかなり論理的に整理されている。

クレタ象形文字


ミノア文明のあった地中海クレタ島発達した文字。未解読。96種の文字がある。線文字Aや線文字Bと関連があると推測されている。

原エラム文字


最初のイラン固有の文字。紀元前三千年に一時的に使われた。大部分が未解読。

原パレスチナ文字


パレスチナで発見された象形文字と表音文字の中間の形をした文字。

甲骨文字


甲骨文字は、亀甲や獣骨に刻まれた中国殷代の象形文字。紀元前一五世紀頃から使われたと考えられる、現存最古の中国の文字。占卜の記録に用いられた。

ゴート文字


350年ごろ、ゴート民族のウルフィラ(310〜383)によってゴート語のために開発された文字。聖書を翻訳することが目的であった。ギリシャ文字・ラテン文字の影響を受けている。

コプト文字


コプト文字は、エジプトのキリスト教徒たちが用いた音素文字。三世紀頃に成立。プトレマイオス朝時代のエジプトにおいて、ギリシャ文字を基にして作られたアルファベット。左から右に書く。