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 和紙の原料は主に3種類あり、楮は障子紙に、三椏はお札などに、雁皮はあぶらとり紙や謄写版原紙などに使われます。ここでは、楮を使った和紙について説明していきます。
 
 
 
 
 楮の木の皮をむいて白い皮にします。
美濃和紙では、土佐楮(高知)と那須楮(栃木)、そして地元で取れる楮を使用しています。
 
 
 
 楮の木から剥いた原料を水に浸すことによって、水に溶けやすい不純物「あく」を除き原料をやわらかくします。昔は「川晒し」といって、川の流水(水)に2、3日浸していましたが、最近は作業場にある水槽で行われることのほうが多くなりました。
 
 
 
 このままでは漉くことができないので、楮の繊維だけを取り出すために炭酸ソーダの入った大釜で2時間ほど煮ます。
 
 
 
 さらし、煮熟を経て綺麗になった楮ですが、まだ細かい黒皮やチリ、変色した部分が残っているので、流水の中、丹念に手作業で取り除いていきます。この作業が一番大変で、重要な作業になるそうです。この時、楮に影響が無いように水道水ではなく井戸水を使用します。
 
 
 
 綺麗にちりを取り終わった原料を紙打石(かみうちいし)という石の板の上に広げ、2本の叩き槌(たたきづち)で叩いてほぐしていきます。途中何度か返したりして10分ほど叩解します。現在ではビーターという機械で行われることも多くなりました。
 
 
 
 ここまでの長い作業を経て、紙漉きの作業に入ります。 原料と「ねべし」と呼ばれるトロロアオイの根から抽出した液を漉舟(すきぶね)に張った水の中に入れてよく混ぜあわせます。そして簀桁(すけた)という道具を使って、漉舟の中の液をすくい揺ります。 漉き方には「流し漉き」と「溜め漉き」があります。
 
 
 
 すきあげた紙に圧力をかけ水分を搾ります。一日間、時間をかけ徐々に強く絞っていきます。
 
 
 
 一枚ずつはがした紙を特性の刷毛を使っていたに貼り付け、天日で乾かします。今は中に60度のお湯を循環させる金属製乾燥機に貼り付けて乾かすこともあります。
 
 
 
 長い長い作業を経てできあがった紙は、一枚一枚手にとって検品します。光に透かして、破損、傷、ちりなどの不純物があるものや斑のあるものを除き、紙の厚みも考慮して人の目で丹念に選別します。
 
 
 

 選別した紙を特性の包丁で用途に合ったサイズに裁断します。

 こうして美濃和紙はできあがり、お店に並んだり私達の手元に届くのです。

 
 
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