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病気の原因


コレラやマラリアをはじめとする感染症の多くが、東南アジアやアフリカ諸国で流行し続けています。

これらの病気はかつて日本でも猛威をふるっていましたが、今日では海外旅行者が旅行先で感染し、菌を日本に持ち込むことはありますが、それが日本で流行するということは見られません。大きな違いとして、すぐに満足のいく治療を受けられるかどうかということが挙げられます。
では、病気が流行している国に医者を送ることで、感染は収まるのでしょうか。
確かに患者の症状を抑えることはできますが、病気の蔓延を止めることは出来ません。

なぜ東南アジアやアフリカで感染者が後を絶たないのでしょうか。
それは上下水道の設備されていない生活環境にあります。
チフスやコレラなどは病原菌に汚染された水から感染します。
私たち日本人には想像しがたいことかもしれませんが、トイレの環境が整っていない国では川に直接排泄することがあり、その川の水を生活用水として使用している地域も少なくないのです。

一方マラリアをはじめとする蚊が病原体を媒介して広がる感染症は水を感染源としませんが、発展途上国で多く感染がみられる原因に水道設備が整っていないことが大きく関わっています。
蚊というのは水の中に卵を産みます。特に水が流れず停滞しているところでは蚊の生息率が17倍にもなることが分かっています。
排水溝の設備のない発展途上国では水の流れを作ってもゴミなどが散乱し水の流れを止めてしまい水が停滞します。
そこに蚊が卵を産むことで増殖し蔓延の原因となっているのです。

16世紀ヨーロッパで猛威をふるったペストは、古代ローマから続いていた入浴の習慣がなくなったころに流行しました。
きれいで安全な水が確保できず、体を清潔に保てないことも感染が続くことと関わっています。

このことから分かるように上下水道の設備が整い、安全な水を確保できるようにしない限り感染を抑えることは出来ないのです。






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