データを見てみよう

 まず初めに次の図を見てください。
 この図において、下のXに入るのは何だと思いますか?まぁ縦軸の平均寿命の増加と横軸のXの増加には相関関係があるように見えます。しかし実際はXは「100世帯当たりのテレビ保有台数」です。まるでXの増加と平均寿命の増加には相関関係があるように見えます。でももちろんテレビを買えば寿命が延びるわけではありません。これを疑似相関と言います。これはグラフを見ただけだと関係があるように見えますが、全然関係ないのです。このようにグラフの見方次第で解釈が違ってきてしまいます。それに惑わされないための知識をここでは身に着けてほしいと思っています。

フレーミング効果
 これは表現方法の一つです。あなたにまずこんな質問をします。
「あなたはどちらの薬を服用したいですか?」
@80%お確率で助かる薬
A20パーセントの確率で命を落とす薬
 この質問でおそらく多くの人は@を選ぶでしょう。もちろん論理的に考えると@もAも効果は同じです。しかし生存率と死亡率のどちらを表現するかによって人間の解釈が異なってきます。この現象を利用することで起こる心理的変化のことをフレーミング効果と言います。

バーナム効果
 たとえば大多数の人に当てはまることを「占い」「心理テスト」などの結果とされると、人間はふつう自分だけに当てはまるものだと考えてしまいがちです。こうした心理現象のことをバーナム効果と言います。

プラセボ効果
 新しい薬を開発したときに、その効き目を確かめるために臨床実験を行います。ここで必ず考えなければいけないの効果のことをプラセボ効果と言います。プラセボ効果とはたとえば、薬ではないただの粒を服用者に「これはよく効く薬だ」と言って渡してその効果を信じ込むことで、病気がよくなったりする効果のことです。もし新しい薬の実験の時にプラセボ効果が作用すると新しい薬の効果が証明できないのです。だから新しい薬の実験には様々な工夫がされています。