医学とビッグデータ

 医学に関する統計の起源は、衛生・疫学調査といわれています。それは出生や死亡の率,男児と女児の出生比率、乳児の死亡率や死亡の年齢構成、あるいは地域間格差などの記述から始まりました。

 もともと出生と死亡に関する統計は、生物現象を知る上で基本となる統計でしたが、医学と医療の進歩よって衛生統計も人間の健康に関する評価を指標に取り入れるようになりました。
 しかし、今のところ死亡現象の統計的な記述が最も最良な手法になっています。
一方、医学的には疾病に関する統計も大切です。疾病の疫学的な調査と解析によって疾病発生の原因を調べ原因を除去することは公衆衛生の使命でもあります。
ここでは衛生統計と疫学統計について書いていきます。

 衛生統計は人口と人口に関わる出生、死亡、疾病、医療など人間の健康に関する統計であり、衛生統計の多くは、全体と個々の「比」や「比率」などの指標を用い人間の健康に関する特性を明らかにするために用いられるものです。

 衛生統計は調査の対象となったある一定期間における集団の健康に関わる各種の指標から、その特性を探求し現在と将来の衛生上の問題に対応するものでした。
これに対し、疫学統計は統計的手法を用いて健康の障害となる原因を分析し健康の増進と疾病の予防を図るものです。