講義6 これからのワイヤレス給電の課題


さて、次回にゲスト登場を控えた第6回はこれまで出てきた方式や、
それ以外のワイヤレス給電というシステム自体が抱える課題についてだよ。

ワイヤレス給電ってメリットばっかりかと思ってました。
もしくは研究次第でいくらでも解決できるのかと……

研究のことは誰にもわからないからねぇ
それに今回扱うのは電磁波やそれ関連の現象が引き起こすこととかについてだから。
ちなみにだけど研究次第で絶対解決できるわけでもないけど、
絶対解決ができないことってのもあんまりないだろうから、
この先の研究に期待して私達は待っていようね。

は、はい……

問題点ってどのくらいあるんですかー?

とりあえずは3つくらい挙げるつもりだよ。
では一つ目……

電磁波の人体への影響

御存知の通りマイクロ波を使う事があるワイヤレス給電だが、
電磁波の人体への影響はどうだろうか? マイクロ波って電子レンジで使われてる!?

これは電波法式のところででてきたマイクロ波を用いる方式ね
SPSでは海上に向けて宇宙の発電機から送電するそうだけど、
実際のところは人間があたって大丈夫なのかしら?

人間の体にSPSの電磁波を当てても問題がない
って言うレベルまで広範囲に密度を下げて送電する予定だそうだね。

でも、原発の代わりにもなるなんて言われてる発電方法だし、
海上で当たることになったらそれなりに強い電磁波を浴びなきゃいけないんでしょうね。

もしかして海上でチンッ……なんてことは絶対無いですから安心してください。
規模がちがいますよ。
広域に照射するっていうのは1キロとかそういう単位です。
その一帯は何か規制がかかるはずですから。

その他の方式の場合はどうなんですか?

他の方式も比較的安全ですよ。
磁界共鳴方式も電磁誘導方式も一応電波に関する法律は守っていますから。

んん?なんでじゃあ話にあがったんですか?

これは研究室への取材の際、先生が言っていたことだけどね。
電磁波というものが発見されてまだ2,3百年とかそこら辺なんだ。
人間や自然が電磁波を浴びて、どういう影響を受けるかっていうと、
それはわからないというのが一番正しいとおっしゃっていたよ。

2,3世紀立っているのに危険なものかどうかわかっていないんですか?
そんなものを日頃から身に付けていたりしていると思うと怖いですね。

もっと長い期間に弱い電波でも少しずつ浴び続けたらどうなるかとか、
そういう時間のかかる調査はまだ現在進行形なんだ。
だからそういう意味で影響はないと思われる、ってとこ止まりというわけさ。

コスト

製品としても販売が開始されているワイヤレス給電ですが、まだまだ低コスト化はできていません。
その原因はどこにあるのでしょうか?


これはなんとなく分かりますね。
まだ普及してないものほど設置などにはコストが掛かりそうです。

コストの問題が大きいのは磁界共鳴方式と電波方式だね。
どちらも大掛かりな装置が必要になったり、
磁界共鳴なら距離稼ぎのために中継コイルをたくさん用意しないといけないね。

そういえば言ってましたね。
コイルは金属製のを使うから重いって。
なるほど確かにコストも掛かりそうですね。

あとは、こんなものがあるんですが……



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何かの基板でしょうか?あまりこういうのには詳しくないので……。

これにお金がかかると?

どちらかと言うと資源のムダが出るってところかな?
この板の緑色の部分には銅が塗られているんだ。
この輪のようになっている金属の印刷のようなものがコイルの役目を果たすものだよ。

なるほど……こんなコイルもあるんですね。

資源の無駄は良くないもんな。
新しい技術でも環境にやさしくないなら、
今の御時世、あまり世間には受け入れられないんじゃないかな?

いい観点だね。
今はどこでも環境のことを気にする店が増えてきているし、
その考えは案外合っているかも……



こういう問題は早く解決できたに越したことないんだけどなー

できたら苦労しねーよ……

今回は軽く、課題などを話しました。
あとの2回は取材を受けていただいた早稲田大学理工学術院紙屋研究室の
高橋先生と留学生で来年度から大学院生の羅コウさんにお話を聞きたいと思います。
次回をお楽しみに……!

今回の講義内容に該当するページはコチラです。
実用化への問題点1
実用化への問題点2

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