梱包材の種類

私達もよく目にする気泡緩衝材(通称プチプチ)や、段ボールなど、梱包材には中に入れる商品の性質によって、様々な種類があります。そこでこのページでは現在使われている梱包材についていくつか紹介します。

1,段ボール

最もポピュラーな梱包材に一つで、現在は箱状にした「段ボール箱」で梱包材として使用されるのを見る事が多いと思いますが、段ボールが誕生したのは1856年のイギリスで、当時のシルクハットに汗を吸収する目的で波状にしただけのボール紙(厚紙)を入れたのが始まりで、現在のように梱包材として使用されるようになったのは約20年後のアメリカで、ガラス製品を包むのに使用されはじめました。その数年後にイギリスで生まれた波状のボール紙の片面に波状でない平らなボール紙を張り合わせた現在の片面段ボールが開発されました。また数年後に片面だけでなく両面にボール紙を張り付けた現在の段ボールが開発されました。

その後日本にも段ボールは日本に輸入されるようになりましたが、始めて日本国内生産が始まったのは1909年(明治42年)のことでした。実業家であった井上貞次郎が段ボールの大量生産が可能な機械を製造するのに成功し、また同時に「段ボール」という名称の発案者でもありました。
それまでの流通は木箱に商品を入れて輸送するのが一般的でしたが、低コスト、軽量、実用的強度などの利点にくわえて、戦時下では鉄や木材といった資材は軍事に優先して使用されていた事もあり、ダンボ―ルが流通に用いられるようになりました。しかしその後の戦時中の空襲により段ボールの生産を行っていた工場は壊滅的な被害を受けましたが、1950年以降は内閣が木材資源の保護を目的として段ボールへの切り替え運動を強くすすめるようになり、梱包資材の木箱から段ボールへの移行が徐々に始まりました。そして最終的に2013年における段ボールの生産量は136億平方メートルにもなりました。

[段ボールの製造&リサイクルの工程へ]

2,気泡緩衝材


http://ja.wikipedia.org/wiki/プチプチつぶし/ より
一般的には「プチプチ」と呼ばれることの多いこの梱包材ですが、実は「プチプチ」は梱包資材の製造・販売を主に行っている川上産業株式会社の登録商標であり、正式名称は「気泡緩衝材」です。「プチプチ」だけでなく「エアーキャップ」「ミナパック」などの商標登録も存在します。現在精密機械や割れ物を輸送する際に最もよく使われている梱包材の一つで、最近ではシート状の物だけでなく袋状やチューブ状などに加工されている物も出てきています。

3, 発泡緩衝材

発砲緩衝剤は気泡緩衝材の様に商品を包んで衝撃から守るというよりは、商品と段ボール箱の間の空間を埋めて衝撃から守ります。特徴としては、主原料にトウモロコシ(コーンスターチ)を用いている物が多く、生分解性を持っており梱包材を土中などに埋めた場合でも微生物により分解されます。さらに石油由来でないので焼却する際にも有害なガスなども発生せず、環境にやさしい梱包材の一つとして知られています。


参考サイト、資料
全国段ボール工業組合連合会 | 2014 年(平成 26 年) 段ボールの需要予測
全国段ボール工業組合連合会 | 段ボールの歴史