火山の噴火予測

明らかな前兆現象があるため、地震よりは予測がたやすいです。
とはいえども、正確に測定できるわけではないし、何か月以内と予測できるころにはすでにもう噴火の危機が迫っている状態であることが一般的です。また、マグマがマグマだまりにたまってから噴火するまでの間隔が数十年のものから、万の桁に及ぶものまで様々です。
① 震源の浅い火山性地震が起きる。(数か月~数時間前) 回数が増え、また低周波の微動も発生
② 火口付近の隆起
③ 火山の地下の電気抵抗減少
④ 地下水の温度上昇 などなど
噴火警報

 気象庁や観測機関などが常時観測していて、異常が起きた際には、緊急情報を出すシステムがあります。
噴火前の対策 ー地震対策と何が違う?ー

火山によって被害を受けるものはさまざまで、火山灰による停電、農作物への影響、交通網のマヒなど様々なものが考えられます。 しかし、一番大切なのは自分の身を守ることです。自分の身の安全を確保することがどれだけ大切かは、地震などで学んでいるはずです。このページでは、噴火前に準備しておくべきもの、噴火前にできることなどを紹介したいと思います。
最低限用意すべきもの


懐中電灯
・火山用マスク(防塵マスクもあるとなおよい)・飲料水(最低三日分)・保存食(最低三日分)・簡易トイレ・現金・レインコート・ゴーグル・ゴーグル・ 防災用ヘルメット・電池式携帯充電器・懐中電灯
いかがでしょうか? 赤の文字で書かれているのは、他の災害には見られない火山による災害だからこそ必要な見落としがちな防災グッズなので、詳しく解説したいと思います。
火山用マスク


火山用マスク
(※イメージ)
通常私たちが使う布マスクとはなにがちがうのでしょうか? 布マスクと火山用マスクでは、使用目的が異なります。
 火山用マスクでは、火山灰などを体内に吸入しないようにすることはもちろん、ウイルスやほこりを防ぐ布マスクとは違い有毒な火山ガスの毒を防ぐためのマスクであります。
レインコート

 火山灰を服につけないために使います。
「火山灰が服に行こうが落とせばいいじゃないか!」
なーんて思っちゃってますか?
服についた火山灰はどのような被害を及ぼすのでしょう?
 火山灰は、一般に、ガラスのように固いものを傷つけるといわれています。実際に、桜島での噴火が日常生活に起きている鹿児島県の方々は、車のフロントガラスに火山灰がついた時、そのとがった火山灰でガラスを傷つけないようにすることがとても大変なようです。
ゴーグル

 目に火山灰を入れないように使います。 前途したように、火山灰はとがっていて、眼にはいったら目を傷つけてしまい大変危険です。 それを未然に防ぐために、普段コンタクトの人は眼鏡、さらにゴーグルがあるとさらに便利でしょう。
 火山の近くに住んでいる人は避難プランを立てておくことも重要です。 火山から遠くに住む人も、火山灰は風に吹かれて影響しますので火山灰による被害にそなえることが大切です。その際、自治体や県の出しているハザードマップなどが大変役立つので、活用してみることもおすすめです。
噴火後の対策ーいざ、火山が噴火してしまったらー

 実際に火山噴火が起きてしまったら、まずは落ち着くことが一番大事になってきます。ここまですれば大丈夫だろうといった油断も大敵です。先ほど紹介したハザードマップの活用、災害時伝言板などの利用を通して家族間で協力し合うことが大切です。   
火山が噴火したときの大きな被害

 火山が噴火したときの大きな被害は主に三つあります。
  1. 火山灰による被害
  2. 噴石による被害
  3. 土石流
 1の火山灰による被害は噴火前の対策でも少し触れましたが、火山灰による被害は想像をはるかに超える大変さです。火山灰は軽く飛びやすいため、何度掃除してもざらざらした感じが残ります。そのため、鹿児島県などではエアコンの室外機が火山灰対応になっているようです。電化製品にも大きな影響を与えるので、ビニール袋をかぶせるといった工夫が必要です。
 また、火山灰は御岳山での例もあるように水を含むと、成分の硫酸とカルシウムが化学反応を起こして石こうの主成分である硫酸カルシウムに変わります。石こうはぬれているとドロドロに、乾くとセメントのように固まってしまい、さらに粘土質になることにより重さが何倍にも増えます。
 そして、火山灰による被害は長期にわたるものが多いのでこれもやっかいですね。
 2の噴石による被害は、火山から遠い場所でももちろん注意が必要になりますが、主に噴火する火山の付近の人が考えておかなければいけない問題です。先日起こった御岳山の噴火での犠牲になった方々の死因にはこの噴石によるものも多いことを、皆さんはご存知でしょうか?
 3の土石流については、多くの場合が二次災害で噴火直後だけではなくその後1年後に土石流が発生したケースもあります。2014年の毎日新聞によると、
 噴火後の火山灰などの処理が終わった後でも、被害が起こり得るため、地盤のチェックなどもしておく必要があります。  
実際にどうすればよいか?

ここまで、主な三つの被害について紹介してきましたが、この章では実際に何をしたらよいか?について詳しく解説していきたいと思います。
1.火山灰による被害について
 火山灰は、前途したようにとても厄介なものなので、まず日常生活を送る上で考えたいことを焦点に絞って紹介したいと思います。  火山灰が降っている間に風が吹くと、地面に積もっている火山灰が舞い上がってしまい、外に洗濯物を干せません。濡れた洗濯物に火山灰がついたら洗いなおすしかないので、慣れないうちは注意が必要です。
2.噴石による被害
 噴石による被害は2章で述べたように主に火口付近で大きなものとなります。
先日の御岳山の噴火では、トラックほどの大きさの噴石が降ってきました。噴火に関しては建物に入って安心するのではなく、なるべく遠くに逃げることが重要になります。噴火の気配を感じたら、すぐに逃げることが命を守るために大変重要になってくることが分かりますね。
3.土石流による被害
 土石流による被害は主に噴火後しばらくしてから発生するので、大雨が降った場合自分の家の周りの地形は耐えられるかなどをチェックしておく必要があります。火山灰と土石流は一見するとあまり関係がなさそうですが、火山灰の小さな溝が重なることによって一気に堆積した火山灰と水が流れ出ます。この場合、高台に住んでいる方はもちろん特に低地に住んでいる方は、いつ起こるのかわかりにくいためいつでも避難できるように備えておく必要があります。その際に備えておくものは他の災害と同じようなものでいいので、定期的に点検し安全を確保することが大切になります。
 このページで、噴火に対して備えることができましたか?
 『噴火』というのは恐ろしいものです。火山の噴火はいつ起きるのかわかりません。しかし、正しい知識を身につけておけば、多少の備えにはなると思います。大事なのは正しい知識を身につけて『正しく怖がる』ことなのです。火山災害を正しく怖がって、対策をとりましょう。