上の画像は 立命館大学 理工学部 衝突工学研究所 にて超々ジュラルミンというとても固い物質に右のプラスチックと金属でできた弾をぶつける実験の結果です。この実験では実際のデブリの半分の速度しか出ていないにも関わらず、このように分厚く固い超々ジュラルミンが貫通してしまいます。
このようにデブリは非常に高い威力を持っていることがわかります。
スペースデブリは8km/sほどで地球の周りを回っています。
このスピードは1km/sのライフル銃の8倍ほど、地球を1時間半で一周できる速さです。
そんなスペースデブリの危険性とは一体何か?具体的に考えていきましょう。
10cm以下の小さなものでも、人工衛星を爆発させるこどができます。
直径3mmのアルミ球が10km/sで衝突した場合とボーリングの球が100km/hで衝突した場合の運動エネルギーは等しいです。
そんなスペースデブリが国際宇宙ステーションや人工衛星に衝突した場合、デブリの大きさがたった10cmほどでも、簡単に破壊されてしまいます。
私たちの生活は数多くの人工衛星の機能によって支えられています。
例えば、インターネット、気象情報、GPSといったものです。
それらがスペースデブリによる衛星の破壊によって機能しなくなってしまえばどういったことが起きるのでしょうか?
スペースデブリ同士、または人工衛星などに衝突すると、新たにスペースデブリが発生してしまうのではないかという理論。
これをケスラーシンドロームといいます。
名称は提唱者の1人であるNASAのドナルド・J・ケスラーが由来です。
スペースデブリの危険性は、自然に増加していく可能性があるという点にもあります。
デブリ同士の衝突により、デブリの雲「デブリクラウド」が発生し、衝突する確率が上がり、またデブリ同士が衝突するという破壊的連鎖が起き、最終的には宇宙開発を行うことができなくなってしまいます。
そして、2009年2月10日にロシアの軍事衛星とアメリカイリジウム社の通信衛星の衝突が、デブリの密度がもっもと高まっている高度800kmで起きました。
高度800kmでデブリ増加の悪循環が起きる可能性が上がったのです。