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ことわざは日本語だけではなく、様々な言語でその地域特有のことわざが世界中に存在します。
ここでは、外国語のおもしろいことわざをアジア・アフリカ・ヨーロッパの3地域にわけて紹介しています。


アジア

恋人のためならバグダードも遠くない(原文:トルコ語)

愛する者のためなら、バグダードのように遠く離れた異国いこくの地へ行く道さえも遠く感じない。それほどに恋の力は強いのだということ。
バグダードは、かつてアッバース朝の首都しゅととして栄えた古都。現在はイラクの首都である。トルコはイラクのとなりの国だが、トルコの首都アンカラからバグダードまでは1000キロ以上も離れている。

恋と妊娠にんしんとラクダで出かけることは隠せない(原文:シリア語)

みごもった女性はいくら隠してもいずれわかる。こっそり出かけようとしてもラクダに乗っていてはすぐ他人に気付かれてしまう。恋していることもそれらと同じで、いくら本人が隠すつもりでも、知らず知らずのうちに態度たいどに表れて、周りの人にわかってしまうということ。ラクダというところが、砂漠さばくが多いシリアらしい。
胡麻塩ごましおの味(原文:韓国語)

胡麻と塩は相性がよく、それらを混ぜ合わせた胡麻塩はとてもおいしい。
二つのものの組み合わせの良いことを表す。
天下てんかに終わらぬ宴会えんかいはない(原文:中国語)

どんなに楽しい宴会でもいつかは終わる。
楽しいこと、あるいは辛いことばかりが続くことはなく、全ての物事ものごとには終わりがあるのだということ。


5人揃えばヴィシュヌ神(原文:ヒンディー語)

日本の「三人寄れば文殊もんじゅ知恵ちえ」と同じ意味。一人一人は弱くても、何人かで力を合わせれば思わぬ知恵が浮かんでくるものだ。日本の「文殊」は知恵をつかさどる菩薩ぼさつを表すのに対し、「ヴィシュヌ神」はヒンドゥー教の守護神しゅごしんのことを表す。


恋をするなら月を恋し、盗むならラクダを盗め(原文:エジプト)

どうせ何かをするのなら、大きいことをやった方がいい。やるならとことんやり抜け、ということ。


川の流れは止められても、人の口は止められない(原文:フィリピン)

人のとやかく言うことは止めようとしても、止められるものではない。日本の「人の口に戸は立てられない」と同じ意味。
川の流れを止めることは簡単には行かないので、たとえ川の水をせき止められたとしても、人のおしゃべりを止めることは出来ないものだ、と強調きょうちょうしている 。


貧乏人びんぼうにんはベッドで眠り、金持ちは階段かいだんで眠る(原文:カシミール)

財産ざいさんや持ち物が少なければ、無駄むだに心配したりする必要がなくなり、かえって金持ちよりも幸せに暮らすことが出来るということ。


頭がくぐれば尻尾しっぽが抜ける(原文:ベトナム)

ものごとは最初さえ上手く行けば、その後は自然と上手く行く。なにごとも始めが肝心かんじんだ、ということ。日本でよく使われる「終わり良ければすべて良し」とは逆の意味である。


官法かんぽうのみによればち殺されねばならず、仏法ぶっぽうのみによれば餓死がししなければならない(原文:中国語)

官法とは法律、仏法とは仏教における決まりごとのこと。法律を完ぺきに守ろうとすると世の中は罪人ざいにんばかりになるし、仏教の教えをつらぬいて動物を全く殺さなければ、食べるものがなくなってえ死にしてしまう。いくら正しい理論りろんも現実を無視していると、かえってよくない結果をまねくということ。


かしこにわとりは卵から鳴く(原文:シリア)

のちに大成たいせいする人物は、おさない時から並外なみはずれた能力を示すものだ、ということ。


パンがある時は塩がなく、塩がある時にはパンがない(原文:シュメール)

パンと塩に限らず、金があれば暇がなく、暇があれば金がない、そんなこともよくあることだ。いくら深く考えたところで、ちょっとしためぐり合わせでなかなか思うようにいかない。人生なんてそんなものさ、ということ。
ちなみみにこれは4000年以上前のもので、世界最古さいこのことわざ集(粘土ねんど)にのっている。


よい焼肉は遠くまで匂うが、悪いのはもっと遠くまで匂う(原文:チェコ)

悪事あくじはすぐに世間に知られ、悪い評判ほど遠くまで広がっていくものだ。だから、滅多に悪いことはしない方がいい。日本では「悪事千里せんりを走る」。


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