ここではマスキング現象、カクテルパーティー効果の二つの現象について学ぶことが出来ます。マスキング現象、カクテルパーティー効果とはどのような現象でしょう。身近な例と共にそれぞれの現象について学んでいきましょう。
                                

  マスキング現象

マスキング現象とは、簡潔に言うと二つの音が重なっている時に片方の音がかき消されて聞こえなくなる現象です。実際には存在している音でも人間には聞こえなくなります。

正確には、妨害音によってある音の最小可聴値が上昇する現象です。
※出典:ナツメ社 中村健太郎 著 図解雑学 「音のしくみ」

マスキング現象によって音が妨害されて聞こえないという経験は皆さんもあると思います。人が多く騒がしい中ではなかなか自分の声が届かなかったり時計の針の音が暖房の音にかき消されるといったこともあると思います。また、マスキング現象を活用しているところもあります。レストランなどのお店やエレベーター等では騒音や環境音をかき消すためにBGMが流れてることもあると思います。このように、マスキング現象は様々な場面で起こっていたり、活用されているのです。では、マスキング現象の特徴を見ていきましょう。
以下の二つの場合、マスキング現象の効果は大きくなります。

妨害される音と妨害する音の周波数が近い場合


妨害音が低い周波数の場合

勿論妨害音が大きい場合にもマスキング現象の効果は大きくなります。

 マスキング現象が起こるのは? 
マスキング現象は妨害音があれば必ずしも起こるわけではありません。ある音と妨害音が同じ耳から入ってこなければマスキング現象は起きません。この仕組みを理解しておけば、騒がしい中でも目的の音を聞くことができるかもしれません。

音声圧縮技術とは?
音声の圧縮技術には、このマスキング効果が関係しています。先ほども言ったように、マスキング効果によりある音が妨害され聞こえないことがあります。そこで、実際には音が存在するけれど人間には聞こえないため省いてしまい、情報を少なくするという技術があります。これが音声の圧縮です。この音声圧縮の利点としては、音声のデータを圧縮するため長時間の録音が可能なことです。
まとめ
※クリックするとカッコ内の単語が表示されます。
・マスキング現象とは妨害音によってある音の(     )が上昇する現象である。
・妨害される音と妨害する音の周波数が(  )場合、マスキング現象の効果は大きくなる。
・妨害音の周波数が(  )場合、マスキング現象の効果は大きくなる。


  カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果とは何でしょう。名前だけ聞くと音に関係するのかも分からずあまりピンと来ないかもしれません。このカクテルパーティー効果とは、周辺に雑音が多い中から特定の音を取り出す効果です。この効果の名前も、パーティーのような騒がしい中で自分が知りたいことのみ聞こえる効果、と考えると分かります。確かにこのような経験はあると思います。パーティーの他にも、電車の放送や授業中の先生の話声等、自分にとって重要なことに自然と耳を傾けていると思います。聞きたいことに神経を集中させることで雑音の中から聞きたい音が聞こえてきます。何故このようなことが起こるのか、これは心理学的な事と考えられ、未解明とされています。心理学的なもののため、このカクテルパーティー効果はマイクのような機械では起こらないはずです。ある特定の音を録りたいと思った時、自分で聞いたときはその音はよく聞こえたのに、録った音を確認すると周りの雑音が入ってあまり聞こえないことがあります。これもカクテルパーティー効果によるものだと思います。
まとめ
※クリックするとカッコ内の単語が表示されます。
・カクテルパーティー効果とは周辺に雑音が多い中から特定の音を取り出す効果である。
・カクテルパーティー効果は心理学的な事と考えられ、(   )である。
                            ↑ハース効果に進みます。


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