身近なUD図鑑

ガラケー

 つい数年前までは街を行く大人も子供も皆が一台は所持し、身近にあった折り畳み型携帯電話。近年ではスマートフォンに取って代わられつつありますが、実はこのいわゆる“ガラケー”に操作しやすいと感じるための工夫が為されていたのです。例えば手元の物を見ると、５、ペア、電源、これら三つのボタンに小さな突起の目印が付いています。これは、健常者が液晶画面を見ながら操作をすることで効率よく文字や数字の入力が行えるように、また、視覚障がいを持っている人でも各ボタンの位置を正確に把握して押せるようにという配慮であるといえます。

「５」のボタンに小さな突起があります。

私たちの考え

 私自身、数か月前まで折り畳み式のガラケーを使っていましたが、画面を見ながら操作ボタンを見ずに操作できていることに何の違和感も抱いていませんでした。しかし、小さな突起やボタン同士の隙間など、微妙な触感をとらえて操作できていたのだと気が付きました。微小な違いも認識することのできる繊細な指先という部位だからこそできる工夫であると思いました。（高校3年・K）