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インタビューにGO!!

杵屋五司郎 ( きねやごしろう ) さんにインタビュー！

なるほど、元々(もともと）は 上方(かみがた）のものだったのね。

そうなんだね。長唄(ながうた）についてさらに 理解(りかい）したところで、インタビューをしてみようよ！

いいわね！今度(こんど）はプロの 演奏家(えんそうか）の 方(かた）？

そうだよ！さあさあ、見(み）ていこいうか…

 

毎週 ( まいしゅう ） どれぐらい 練習 ( れんしゅう ） しているのですか。

コンサートに 向 ( む ） けてどれくらいすればいいか 考 ( かんが ） えてします。 新曲 ( しんきょく ） を 披露 ( ひろう ） するときには1 曲 ( きょく ） 覚 ( おぼ ） えるのに 約 ( やく ） 40 時間 ( じかん ） かかり、そのあとで 精度 ( せいど ） を 高 ( たか ） めるためにすくなくとも1 週間 ( しゅうかん ） は 練習 ( れんしゅう ） するので、 約 ( やく ） 2か 月前 ( げつまえ ） から 計画 ( けいかく ） を 組 ( く ） みます。 元々 ( もともと ） 覚 ( おぼ ） えている 曲 ( きょく ） を 演奏 ( えんそう ） するときには 練習 ( れんしゅう ） だけでいいので、 半分 ( はんぶん ） ほどの 時間 ( じかん ） ですみます。

どうやって 譜 ( ふ ） を 覚 ( おぼ ） えるのですか。

普通 ( ふつう ） の 曲 ( きょく ） は15～20 分 ( ふん ） 、 長 ( なが ） い 曲 ( きょく ） だと40～60 分 ( ふん ） かかることや、 長唄 ( ながうた ） の 場合 ( ばあい ） は1 曲 ( きょく ） の 中（なか）にいくつもメロディのパターンがあることなどから、 覚 ( おぼ ） えるのが 大変 ( たいへん ） です。 歌詞 ( かし ） を 読 ( よ ） み 上 ( あ ） げながら 便箋 ( びんせん ） に 書 ( か ） き 写 ( うつ ） したあと、 歌詞 ( かし ） だけを 見 ( み ） ながら 演奏 ( えんそう ） するのと 歌詞 ( かし ） と 譜 ( ふ ） を 交互 ( こうご ） に 見 ( み ） ながら 演奏 ( えんそう ） するのを 繰 ( く ） り 返 ( かえ ） して 頭 ( あたま ） のなかに 曲 ( きょく ） を 叩 ( たた ） きこんでいきます。しかし、 曲 ( きょく ） の 最後 ( さいご ） の 方 ( ほう ） までいくと 最初 ( さいしょ ） の 方 ( ほう ） を 忘 ( わす ） れてしまうので、 一度 ( いちど ） 終 ( お ） わりまで 練習 ( れんしゅう ） したら 今度 ( こんど ） は 後 ( うし ） ろから 最初 ( さいしょ ） の 方 ( ほう ） にかけて 練習 ( れんしゅう ） していきます。 ちなみに、メロディだけで 覚 ( おぼ ） えようとすると 同 ( おな ） じメロディが 曲 ( きょく ） のなかに 何度 ( なんど ） も 出 ( で ） てくるのでそのあとに 続 ( つづ ） く 音 ( おと ） が 分 ( わ ） からなくなってしまいます。だから、 歌詞 ( かし ） をつけて 次 ( つぎ ） に 出 ( で ） てくるメロディを 確定 ( かくてい ） させながら 覚 ( おぼ ） えることがポイントです。

声 ( こえ ） がかれることはあるのですか。

朝 ( あさ ） は 声 ( こえ ） が 出 ( で ） にくく、 昼過 ( ひるす ） ぎには 調子 ( ちょうし ） がよくなり、しばらく 声 ( こえ ） を 使 ( つか ） って 夜 ( よる ） になるとまた 出 ( で ） にくくなります。また、お 酒 ( さけ ） を 飲 ( の ） んだ 次 ( つぎ ） の 日 ( ひ ） にも、 声帯 ( せいたい ） がアルコールに 刺激 ( しげき ） されることや 飲 ( の ） みながらたくさんしゃべることが 原因 ( げんいん ） で 声 ( こえ ） が 出 ( で ） にくくなります。

今 ( いま ） まで 練習中 ( れんしゅうちゅう ） にあったハプニングで 困 ( こま ） ったことを 教 ( おし ） えてください。

ノリに 乗 ( の ） っていい 流 ( なが ） れで 練習 ( れんしゅう ） しているときに 糸 ( いと ） が 切 ( き ） れると 気持 ( きも ） ちも 切 ( き ） れてしまいます。 新 ( あたら ） しい 糸 ( いと ） に 張 ( は ） りなおしても 最初 ( さいしょ ） はすぐに 緩 ( ゆる ） んでしまうので、 曲 ( きょく ） に 集中 ( しゅうちゅう ） しづらくなってしまいます。

手首 ( てくび ） は 痛 ( いた ） くならないのですか。

1 日中演奏 ( にちじゅうえんそう ） していると 前腕 ( ぜんわん ） に 赤 ( あか ） い 湿疹 ( しっしん ） が 出 ( で ） ることがあります。なるべく 負担 ( ふたん ） を 減 ( へ ） らすためにも、 休憩 ( きゅうけい ） やマッサージといったケアは 大切 ( たいせつ ） です。

ずっと 正座 ( せいざ ） していて 大丈夫 ( だいじょうぶ ） なのですか。

ずっと 正座 ( せいざ ） していると 足首 ( あしくび ） がしびれたり 膝 ( ひざ ） の 関節 ( かんせつ ） が 痛 ( いた ） くなったりします。 練習 ( れんしゅう ） では 椅子 ( いす ） を 使 ( つか ） いますが、その 場合 ( ばあい ） は 腰 ( こし ） に 悪 ( わる ） いので、 正座 ( せいざ ） と 椅子 ( いす ） を 使 ( つか ） い 分 ( わ ） けることが 必要 ( ひつよう ） です。 本番 ( ほんばん ） は 長 ( なが ） い 時間正座 ( じかんせいざ ） しなければならないので、 合曳 ( あいびき ） という 正座用 ( せいざよう ） の 小 ( ちい ） さな 椅子 ( いす ） のようなものを 使 ( つか ） います。

衣装 ( いしょう ） はあるのですか。

基本 ( きほん ） は 黒紋付 ( くろもんつき ） と 仙台平 ( せんだいひら ） という 袴 ( はかま ） を 着 ( き ） ます。 現代曲 ( げんだいきょく ） のときには、オーケストラのように 黒 ( くろ ） いズボンに 白 ( しろ ） いシャツを 着 ( き ） ることもあります。

どこで 習 ( なら ） えるのですか。

習 ( なら ） っている 人 ( ひと ） に 紹介 ( しょうかい ） してもらうのが 一番 ( いちばん ） いいですが、それができないなら 個人 ( こじん ） で 教 ( おしえ ） えているところや 地域 ( ちいき ） のサークルのようなものを 自分 ( じぶん ） で 調 ( しら ） べてみるといいと 思 ( おも ） います。 若 ( わか ） い 人 ( ひと ） が 伝統 ( でんとう ） をやろうとしていたら、 断 ( ことわ ） る 人 ( ひと ） は 少 ( すく ） ないはずです。

バチはどれぐらいもつのですか。

練習 ( れんしゅう ） には 木 ( き ） のバチを 使 ( つか ） いますが、 徐々 ( じょじょ ） に 丸 ( まる ） くすり 減 ( へ ） るのでそのたびに 削 ( けず ） り、 次第 ( しだい ） に 細 ( ほそ ） くなったら 手 ( て ） の 感覚 ( かんかく ） がおかしくならないようにするため 新 ( あたら ） しいものに 交換 ( こうかん ） します。 本番 ( ほんばん ） は 象牙 ( ぞうげ ） のバチを 使 ( つか ） いますが、 厚 ( あつ ） さや 質感 ( しつかん ） によって 微妙 ( びみょう ） に 音色 ( ねいろ ） が 変 ( か ） わるので 曲調 ( きょくちょう ） によって 使 ( つか ） い 分 ( わ ） けたり、 高価 ( こうか ） なので10 年 ( ねん ） ～20 年 ( ） くらいは 新 ( あたら ） しいバチを 使 ( つか ） わないようにしたりするため、 多 ( おお ） くのバチを 使 ( つか ） い 分 ( わ ） けます。ちなみに、 私 ( わたし ） は12 本 ( ほん ） 持 ( も ） っています。

今 ( いま ） までで 一番 ( いちばん ） 、やっていてよかったと 思 ( おも ） ったことを 教 ( おし ） えてください。

学校公演 ( がっこうこうえん ） で、はじめて 長唄 ( ながうた ） を 見 ( み ） た 子供 ( こども ） たちの 驚 ( おどろ ） きや 感嘆 ( かんたん ） を 感 ( かん ） じたり、キラキラした 目 ( め ） を 見 ( み ） たりするときです。

実 ( じつ ） はこうなんです、というものがあれば 教 ( おし ） えてください。

普通 ( ふつう ） にカラオケで 歌 ( うた ） うのも 好 ( す ） きです。また、 三味線 ( しゃみせん ） よりギターに 出会 ( であ ） った 方 ( ほう ） が 先 ( さき ） で、 高校時代 ( こうこうじだい ） にはずっとギターを 弾 ( ひ ） いていました。

次 ( つぎ ） への 目標 ( もくひょう ） を 教 ( おし ） えてください。

ハワイ 島 ( とう ） の「ヒロ」という 日本 ( にほん ） に 似 ( に ） た 雰囲気 ( ふんいき ） のところで 公演 ( こうえん ） をすることです。 去年 ( きょねん ） と 一昨年 ( おととし ） は 生徒 ( せいと ） 70 人 ( にん ） を 連 ( つ ） れてベルギーに 行 ( い ） きましたが、すぐ 近 ( ちか ） くにISがいて 怖 ( こわ ） かったです(笑)。

若 ( わか ） い 人 ( ひと ） に 伝 ( つた ） えたいメッセージをお 願 ( ねが ） いします。

日本人 ( にほんじん ） として 外国人 ( がいこくじん ） に 日本文化 ( にほんぶんか ） を 紹介 ( しょうかい ） できるようにするために、 英会話 ( えいかいわ ） の 能力 ( のうりょく ） と 日本 ( にほん ） についての 知識 ( ちしき ） を 身 ( み ） に 着 ( つ ） けた 方 ( ほう ） がいいと 思 ( おも ） います。 英語 ( えいご ） は 言葉 ( ことば ） なので 話 ( はな ） せるようになるのに 頭 ( あたま ） の 良 ( よ ） し 悪 ( あ ） しは 関係 ( かんけい ） ないはずです。また、 外国人 ( がいこくじん ） の 方 ( ほう ） が 日本人 ( にほんじん ） よりも 伝統文化 ( でんとうぶんか ） に 詳 ( くわ ） しいことも 多々 ( たた ） ありますが、 嘆 ( なげ ） かわしいことなので、 日本人 ( にほんじん ） としてきちんと 身 ( み ） に 着 ( つ ） けた 方 ( ほう ） がいいのではないでしょうか。

好 ( す ） きな 曲 ( きょく ） を 教 ( おし ） えてください。

勧進帳 ( かんじんちょう ） です。 先日演奏 ( せんじつえんそう ） した 望月 ( もちづき ） という 曲 ( きょく ） は50 分 ( ふん ） もあり、 死 ( し ） ぬほど 辛 ( つら ） かったです(笑)。 好 ( す ） き 嫌 ( きら ） いはなるべくしないようにしているんですけど…。

ありがとうございました。