ゴミ問題
現代の日本は、「大量生産、大量消費社会」であるといわれており、世界で最も「(物質的に)豊かな国」のひとつとなっています。しかし、生産と消費が増えたのに対して、リサイクルの仕組みなどは、あまり発達していません。それどころか、「いらなくなったものは捨てればいい」という使い捨ての考え方が定着してきています。人々は、使い捨ての便利さに酔いしれてしまい、その結果、ゴミが大量に出てしまうこと、その大量のゴミをどう処理するのか、といったさまざまな問題に対してどう向き合っていくのかを深く考えていなかったように思います。
このような背景により、以下のような「ゴミ問題」が出てきました。
- 大量のゴミが出るようになり、ゴミの処理が間に合わない
大量に品物が生産されると、もちろんゴミも大量に出ます。ゴミの量があまりにも多いので、ゴミ処理場の処理能力を超えてしまい、ゴミの処理が追いつかないという問題も出てきています。「燃やすゴミ」として収集しても、燃やしきれずに埋立処理する場合もあるくらいだそうです。
ゴミの増加に応じてゴミ処理場も増やさなければなりません。しかし、建設する場所の不足や、市民の反対、莫大な建設費用などにより、ゴミ処理場を増やすことも難しいのが現状です。ゴミ処理場の不足は、特に大都市で深刻になってきています。
- ゴミを処理するうえで、大気や水質、土壌が汚染され、公害などが深刻になってきた
例えば、ゴミの焼却場から出る排ガスなどに含まれるさまざまな窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)、はいじんなどは、空気を汚染します。また、蛍光管、電池などに含まれている水銀やカドミウムなどの重金属も、埋立処分場から染み出て土壌を汚染します。
これらの汚染源がさまざまな病気を引き起こすのです。
- 処理の困難なゴミが増えてきた
プラスチックのゴミは、燃えると高温になったり、燃えかすが焼却炉にこびりついたり、有毒ガスが出るものがあったりなどするため、これまで多くの市町村で使ってきたタイプの焼却炉では、プラスチックをうまく燃やすことができません。
- ゴミの処理をするためにかかる費用が増えてきた
ゴミの量が増えると、それを処理するためにかかる費用も増えます。