環境ホルモン
- [環境ホルモンとは]
- 環境ホルモンとは、生物の内分泌機能に影響を及ぼす化学物質のことをさしています。環境中に放出された化学物質は、体の中に入り、私たちが本来持っているホルモンと同じような働きをしたり、ホルモンの働きを邪魔したりします。
環境ホルモンには多くの種類があり、非常に微量で作用し、影響を及ぼす機構・作用、体内蓄積の度合い、分解されやすさなどはさまざまです。雄(オス)と雌(メス)で感受性に違いがあるものもあるといわれています。
- [現状]
- 巻き貝の一種のイボニシのインポセックス(メスが成長するにつれてオスの生殖器ができる現象)が、日本でも発生していることが明らかになりました。また、異常に小さい精巣をもつ魚が見つかり、魚におけるオスのメス化なども報告されています。
そして、日本の健康な若者の精子も正常ではないといわれています。
- [環境ホルモンの発生源といわれているもの]
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- 大気から
例)ダイオキシン:ゴミ焼却炉の煙突から、家庭や工場からの廃棄物の焼却時 など
- 水から
例)水道水、水生生物 など
- 食品から
例)輸入品の果物や野菜、魚肉、大豆 など
- 母乳から
- 家庭用品から
例)種々のプラスチック容器、食品包装用ラップ、塩ビ製チューブ、プラスチック製玩具、ポリカーボネート製ほ乳びん など
- 医薬品、医療用具から
- [問題点]
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化学物質の溶出試験や、環境中の化学物質の濃度測定などのデータが不足しています。
そして、毒性の評価についても、細胞培養や、魚・マウスを用いた生物実験などのみでは、これらの化学物質が本当にヒトに対しても毒性を示すのかどうか判定しにくい点も問題となっているそうです。