ペットボトルから原料へ
プラスチックは分解しにくいことが特徴で、壊れにくく、私たちの生活に多大な恩恵を与えてきました。PETボトルは酸やアルカリにも強く、安定であるため大量に利用されています。一方、使用済みプラスチックの処理が社会問題となっています。
PETボトルを分解して原料のモノマーに戻し、再利用してみましょう。
- [準備]
- PETボトル、ハサミ、三角フラスコ、ビーカー、水酸化ナトリウム、エチレングリコール、温度計、濃塩酸、ロート2、ろ紙、ガラス棒、ガラス板
[方法]
- PETボトルの粉砕(小片を作る)
ペットボトル粉末約1gを小さくハサミで切ります。できるだけ細かく、1mm程度に切り刻みます。
- PETの加水分解(ケン化)と分解物(テレフタル酸)の生成
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PETボトル粉末約1gを三角フラスコにとり、これに水酸化ナトリウム0.4g程度(4粒程度)とエチレングリコール20mlを加えてよく振りながら加熱をします。温度計で180℃くらいにします。
*エチレングリコールの沸点は197.5℃ですが、特に、突沸に注意!
約10分程加熱すると、加水分解が進み、牛乳のように白みを帯びてきます。(加水分解完了)
- 三角フラスコを冷やした後、約20mlの水を加え内容物(テレフタル酸ナトリウム)を溶かします。ろ液をろ過します。(未反応のペットボトルを取り除く)ろ液は太い試験管にとります。
溶けきれない内容物がある場合は再度約20mlの水を加え内容物を溶かし、ろ液をろ過します。
- ビーカーのろ液に少量の濃塩酸を加えて酸性にします。このとき、溶液は白濁します。(弱いものは追いだされる)テレフタル酸は水に溶けにくい弱酸で、2価の芳香族カルボン酸です。
- ろ紙を用いて、沈殿物をろ過します。ろ紙上の沈殿物(分解生成物)は純水10mlで5回ほど洗います。
- ろ紙上の沈殿物(分解生成物)はろ紙ごとガラス板に開いてのせ、乾燥機で乾燥させます。