缶・びん
*缶のリサイクル*
日本(1995年)での缶の回収率はアルミ缶が65.7%、スチール缶が73.8%となっています。
最近では、駅など、空き缶がたくさん捨てられる場所では、「缶・瓶」「新聞・雑誌」「その他のごみ」というように分別式のごみ箱を置くのが一般的になってきました。これらのごみは、さらに手作業で分別され、それぞれ回収されます。リサイクルをすすめるためには、アルミ缶とスチール缶を完全に分けて回収する必要があるのです。
- スチール缶のリサイクル
回収したスチール缶の多くは、電炉メーカーが「スクラップ」として買い取っています。
スクラップの1割は高炉メーカー(製鉄所)が引き取って、製鉄の材料にしています。この場合は、空き缶を鉄鉱石などと一所に高炉で溶かします。そして、出来上がった鉄工の一部は、缶の材料のスチール板として利用されます。
スチール缶のリサイクルの問題点としてあげられるのは、鉄くずの値段が最近、下がっているためリサイクルがなりたたなくなっている。資源として売るどころか、回収業者に運搬料をはらって、ひきとってもらっている状態です。
- アルミ缶のリサイクル
回収したアルミ缶のスクラップは、アルミニウム再生メーカーが1トンあたり58000円前後で買い取ります(1994年)。
スクラップは再生工場で溶かし、地金(製品のもとになる金属)にします。こうして作られた再生地金は、さまざまなものに利用されています。鋳物(ダイガスト)の地金となることが最も多く、最終的には機械部品、特に自動車の部品などに加工されています。
また、アルミ缶から作った地金は純度が高く(98%)、鍋やフライパン、アルミホイルなど、さまざまなアルミ製品をつくるときの原料調整用にも使われます。また、回収したアルミ缶のおよそ3分の1は、再び缶の材料に使われています。
アルミ缶のリサイクルの利点は、スチール缶と違ってアルミ缶は1kgあたり25円くらいで売れるためそれを回収費にまわすこともできます。
*びんのリサイクル*
びんには牛乳びんのように再利用できる「リターナブルびん」、再利用していない「ワンウェイびん」という2つがある。リターナブルびんとワンウェイびんの比率は1970年には7:3だったのが、1992年以降は2:8になっています。理由としては、販売店、飲料メーカーにとっても、回収して再利用するには手間がかかるし、デザインに変化をつけにくいからです。びんの回収率は一升ビン84%、酒中小びん5%、2リットルびん95%、ビールびん97%、調味料びん0.1%、ドリンクびん0%となっています。1991年でのびんの全体の回収率は55%でした。
- リターナブルびんのリサイクル
リターナブルビンには一升びん、ジュースのびん、ビールびんなどがあります。
ビールびんの回収にはデポジット制度がとられています。しかし、現在、日本ではデポジット制度はあまり普及していません。というのも、びんビールよりも手軽な缶ビールのほうが消費者にも販売店にも歓迎されるからです。今の地球を救うためにも私たち消費者、販売店は自分のことを最優先に考えずにデポジット制度に協力し、普及させていくべきです。
ビール工場では回収したビールびんを洗浄、殺菌したあと、傷がないかを念入りにしらべ、再利用していきます。飲料メーカーでも同様です。
1本のびんは平均20回くらい使えます、再利用して古くなったものや、割れたものは、選別されて、カレット(細かく砕いたガラスくず)にされます。カレットだけではびんをつくることはできません。しかし、他の原料と混ぜて使うことにより、その原料を溶けやすくする働きがあります。
- ワンウェイびんのゆくえ
ワンウェイびんはドリンク剤、調味料のびんなどに使われています。再利用できないびんは、カレットにして再資源化します。そのカレットは先に述べたように使われています。