あなたの身の回りにはどのような使いにくいものがありますか?わかりやすく使いやすいデザインとはどのようなものなのでしょうか?
ここに1つの電話があります。保留にしたいのですが、保留ボタンはありません。困りましたね。
説明書を見たところ、保留は681をダイヤルと書いてあります。そこで、681とダイヤルして受話器を置きました。
これで、保留は出来たのでしょうか?
1.ボタンが少なすぎる
1つの機能に対して、いくつものボタンで操作を行うことになります。この電話機では24個の機能に対し、13個のボタンしかありません。2.可視的でない
目で見たところで、何も分かりません。ボタンのどれにも機能を教えるラベルなどは貼ってありません。3.対応づけが自然でない
なぜ、保留が681なの?と誰もが抱く疑問を与えてしまっています。保留が音符マークというように、日常生活の中にある自然な対応付けではありません。4.結果が見えない
これは、本当に保留できているの?どこも光ってないし、切れてるときと区別がつきません。それでは、こんな電話だったらどうでしょうか。同じ保留という作業をしてみましょう。
1.ボタンの数が適当である
1つの機能に対して、いくつものボタンで操作を行う必要はありません。「681」と押すよりも、分かりやすいですね。2.適切な手がかりを持つ
文字が書いてあるボタンがいくつかあると、このボタンが様々な操作の手がかりとなるのです。3.結果がはっきりと分かる
保留中は保留ボタンが緑に光ります。このため切れてるときと区別がつくのです。
ここにドアがあります。ガラス張りの素敵なドアですが、押すのか引くのか見ただけではわかりません。どうやら、表も裏も同じデザインのようです。
「押すこと」も「引くこと」も同じ取っ手で行わなければなりません。この取っ手を見ただけでは、どうしてよいのか迷ってしまいます。2.可視的でない
押すのか引くのかを判断させるものがぱっと見ただけではありません。それは、「押」と書いたラベルでもよいでしょう。または、支軸が自然に目にはいる、というのもよいかもしれません。
このようなことが、うまく取り入れられた取っ手こそ、ドアのデザインで一番重要になります。
私たちがドアに近づいた時には、「どちら側に開くか」と「どの部分を操作するか」との2つを発見しなくてはいけません。この2つを発見するためには下記のような「手がかり」が必要です。
ラベルもマニュアルも使わず、デザインだけで自然に操作方法が理解できる。そんなドアのデザインが、優れているといえます。
モノが物理的形状などによって提供している、ユーザに可能な操作はアフォーダンスと呼ばれます。または、アフォーダンスという言葉は、事物の知覚された特徴あるいは現実の特徴、とりわけ、そのものをどの
ように使うことができるかを決定する最も基礎的な特徴という意味です。
アフォーダンスは物をどう取り扱ったらよいかについての強力な手がかりを提供してくれます。 身の回りのアフォーダンスの例