2つのインターフェイス


私たちが操作するコンピュータには、2つのインターフェイスがあります。一つ目がCLI・コマンドラインインターフェイスです。UNIXなどで利用されています。二つ目がGUI・グラフィカルユーザーインターフェイスです。こちらは、最近のほとんどのソフトウェア・OSで採用されている方式です。
それぞれに、長所短所があります。それらを踏まえた上で、ユーザーである私たちが操作方法を選べることが一番望ましいかたちです。ここでは、2つのインターフェイスの特徴、そしてどのようなインターフェイスが使いやすさにつながるのか、まとめておきます。

CLI・コマンドラインインターフェイス


古くから使われているインターフェイスです。操作したいコマンドを入力することにより、結果を得ます。このインターフェイスの特徴は、目的へ最短で操作ができるキーボードのみで操作ができるといったところにあります。
一方、このインターフェイスの問題点はどのようなところにあるのでしょうか。コマンドをユーザーが覚えなければならない何も知らない初心者は使えないという点があげられます。最近では、GUIにもコマンドライン方式のよい点が取り入れられ、マウス操作とキーボード操作のどちらからでも操作が可能となってきています。
GUIとCLIの両方をうまく組み合わせたインターフェイスとしてブラウザがあります。これは、ほとんどの操作はGUIですが、アドレスを入力する時だけCLIを使います。もしCLIでなくアドレス入力もGUIだったら、どれほど大変だったでしょうか。

GUI・グラフィカルユーザーインターフェイス


最近のコンピュータの進化に伴い、もっとも一般的なインターフェイスとなりました。アイコンやツールバーから目的の操作を選ぶ方式です。
このインターフェイスの特徴は、コマンドを覚えなくても候補の中から選べるキーボードを使わないでマウスで操作できるといったところにあります。ユーザーは、メニューやボタンを見てこのプログラムでどのような事が出来るのかを理解することができます。
一方、このインターフェイスの問題点はどのようなところにあるのでしょうか。設計によっては使いずらいものになるマウスがないと操作が出来ないという点があげられます。
このように、ほとんどのOS・ソフトウェアでGUIが採用されていることを考えると、GUIのデザインが使いやすさに与える影響の大きさは大変なものとなります。

使いやすさのKeyWord/1 予測可能


次のようなアイコンをみて、どんな操作ができるのか想像がつきますか?
1つめのアイコンは、日常生活とはまったく関係のないものがならんでいるとします。それをクリックして出来る作業を予測するのは少し困難ですね。それでは、こんなのはどうでしょうか。2つめのアイコンは、日常で使っているものが並んでいます。そのために、一度も使ったことのない人でもアクションを予測することが可能です。このように、現実の世界と結びつけることにより予測可能とすることは、使いやすさの上ではとても重要なことです。それでは、次のようなメッセージはどうでしょうか。何かおかしなことに気がつきますか?左側にキャンセルボタン、右側にOKボタンが並んでいるダイアログです。私たちは今までの経験から、OKは左・キャンセルは右という予測を無意識のうちに立てています。ですので、このような配置だと大変危険です。逆に、このおかしな配置に慣れてしまうと、こんどは他のアプリケーションで間違えてしまうかもしれません。

GUIでは、ユーザーが予測することが可能で、かつ ユーザーの予測を裏切らないことが重要になります。

使いやすさのKeyWord/2 配色


このようなダイアログが出てきたらどうしますか?赤、青、黄色と色とりどりの原色で構成されています。これでは、気が散ってしまいます。GUIは見栄えのよいものであると同時に、地味なものでなければなりません。ユーザーに情報を伝える為の補助的なものとして色は使われます。

使いやすさのKeyWord/3 コンパクト


皆さんの中に、エラーメッセージが出てきたものの何をどうしたらいいのかわからない、という経験をされた方は多いのではないでしょうか。
次のようなメッセージが出てきたらどうしますか?ただ長いばかりで、意味不明な専門用語が並んでいるメッセージです。このようなメッセージが出てきたら、もうお手上げですね。操作をより簡単に、情報をより得やすくするためのGUIで、メッセージを理解するのに時間を費やすようでは、GUIである意味が失われてしまいます。ユーザーの立場から見た、本当に意味のあるメッセージはコンパクトでありながらも、わかりやすい言葉で問題とその解決法が示されているものです。

使いやすさのKeyWord/4 カスタマイズ


初めてあるアプリケーションを立ち上げました。すると、次のようなツールバーが出てきました。出来る限りの操作に対応した全てのアイコンが並んでいます。このアプリケーションでどのような事ができるかはしっかりと見ることができますが、逆に基本的な操作も沢山のアイコンに埋もれてしまっています。
では、次のようなツールバーはどうでしょうか。必要最低限の操作に対応したアイコンのみ並んでいます。このように、ユーザーのよく使う機能だけを並べておくことができると作業効率はぐんと上がります。ユーザーがより使いやすくする方法を用意しておくことが使いやすさへの第1歩となります。

使いやすさのKeyWord/5 寛容であれ


初心者に限らず、ユーザーはアイコンを押しながら、操作を覚えていくものです。そんな時に、次の様なダイアログが出てきたらどうしますか?このダイアログにはキャンセルがありません。これでは、ユーザーは選択の余地なく操作を続けなければなりませんね。
それでは、次のようなダイアログだとどうでしょうか。キャンセルも、OKもNOも全て並んでいます。このダイアログにはユーザーが取りうる全ての選択肢が出ていますし、対象のファイル名も出ています。
ユーザーのどんな行動にも対応できること。失敗しても、抜け道を用意しておくこと。そんな寛容なメッセージをユーザーは望んでいます。



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