ここで紹介する知識や考え方は、ほんの基本の部分に過ぎませんが、何らかの形で日常生活や研究の中で活用していただけたら幸いです。
インターフェイス(Interface)という言葉は「界面(接面)」と訳すことができます。界面(接面)とは、2つの異なる性質のものが接する部分のことを指します。それでは、ヒューマンインターフェイスは、どのような接面を対象としているのでしょうか。ヒューマンインターフェイス(Human
Interface,HI)とは、『「コンピュータを含めた機械」と「人間」が接する部分』のことをいいます。人間が機械を使って対象を変化させるとき、「人間と機械の接面(第1接面)」と「機械と対象の接面(第2接面)」という2つの接面が生じます。ヒューマンインターフェイスは、この2つの接面のうち、第1接面のことを指しています。例えばパソコンで言うと、画面、ソフトウェア、またはキーボード、マウスなどの入力装置も含まれます。最近では、機械を扱うときの人間の認知や心理なども、インターフェイスに含めるようになっている様です。またヒューマンインターフェイス学会において『人間が機械と交わりやすくするための技術』とも定義されています。
ヒューマンインターフェイスとは、人間と機械の接面です。それではその接面には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?ヒューマンインターフェイスの問題を考えていく上で、どのような所に目を向けていけばいいのか、いくつかの具体例をあげておきます。
<<具体例>>
日常物:ドア、照明のスイッチ、案内図、椅子
普通の機械:電話、ラジオ、テレビ
やや高度な機械:ビデオ、FAX、コピー機
コンピュータ:キーボード、ウインドウ、メニュー、対話画面
ヒューマンインターフェイスの一番重要な特徴は、「作る側」ではなく「使う側」の視点からインターフェイス
を考えるという立場をとっていることです。設計者は、どうしても自分達の技術やコストの問題を最優先しがちですが、機械技術が飛躍的に進歩している現在、技術を利用するのは専門的な訓練を受けた人材ではなく、普通の人間です。その意味でも「作る側」ではなく「使う側」の立場に立って、評価・設計を行うというヒューマンインターフェイスの視点が重要です。
ヒューマンインターフェイスは、既存の様々な学問分野と密接に関わっています。
例:コンピュータサイエンス、認知科学、人間工学、心理学、認知生理学
ヒューマンインターフェイスの対象は非常に幅広く、様々な研究が行われています。
1.知的インターフェイス
2.グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)
3.CSCW(Computer Supported Coorporated Work)
4.ハイパーテキスト/ハイパーメディア→マルチメディア
5.Virtual Reality(仮想現実感)/Artificial Reality(人工現実感)
6.マルチモーダルインターフェイス
7.実世界指向/Augmented Reality