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発電機

ゼネレータ、ダイナモともいう。機械エネルギーを電磁作用により電気エネルギーに変換して電力を得る電気機械。その動作原理、発生する電力の形態、原動機の形式などにより各種のものがある。電気機械の構造としては、エネルギー変換の方向が逆になっている以外、基本的に電動機と原理、特性は同じものと考えてよい。
発電機は自転車のへッドライト点灯用や1kVA程度のガソリンエンジンで駆動される工事用発電機のように小容量のものから、電力会社の発電所の100万kVA機に至るまで、電気事業用の発電設備、工事用、非常用などの孤立電源設備、病院や銀行、ビルなどにおける停電時の自家用電源などに広く用いられている。電動機と発電機を機械的に結合した電動発電機は機械エネルギーを介した電力変換の一方式として(徐々に静止型に置き換えられつつあるが)波形ひずみが少なく、力率が高く、エネルギー一時蓄積能力をもつ長所がいかされる分野、たとえば、東海道新幹線電源での50Hz/60Hz変換装置や核融合試験装置電源などで用いられている。

〔発電機の原理と特性〕

発電機を電気機械の動作原理で分類すれば、同期発電機、誘導発電機、直流発電機に分けられる。交流発電機としては同期発電機が一般に用いられ、直流発電機は交直変換の目的のものは保守性の点で静止電力変換装置に置き換えられている。

1.同期発電機

周波数が回転数によって決まるため回転速度がもし同期速度より低下すれば周波数が低下する。よって発電機が電力系統の中に接続され、他の発電機と並列に使用されている場合には運転できなくなる。したがって同期発電機では原動機の速度がつねに同期速度を保つように制御されなけれぱならない。発電電圧は回転速度と磁束の積となるから、磁束すなわち界磁を変化させれぱ電圧が制御できる。逆に一定界磁で運転すれば出力電圧により回転速度を検出することもできる。このような目的に作られた小型の発電機を速度発電機という。実際の同期発電機では電機子コイルは固定され、事業用のものでは3相化されている。磁極は回転し、特殊のものを除いて、外部からスリップリングを介して励磁される。したがって同期発電機で発電する場合には回転力以外に直流の励磁電源が必要であり、発電機軸に別の直流発電機(励磁機)を設けたり、他の電原から励磁(整流器励磁)したりする。小型のものでは永久磁石が用いられることもある。

2.誘導発電機

誘導電動機を外力で同期周波数より高い回転数で運転するか、2次励磁によりすべり周波数を制御してその値以上に外力で高い回転数に上げると、エネルギーを電源側に戻して発電機として働く。誘導発源機は単独では動作できず、回転磁界を作るための外部交流電源が必要であるが、小出力の事業用発電機としては速度が広範に変わる電源でも運転可能で、運転が容易である特徴をもつ。

3.直流発電機

同期発電機の原理図で電動機と同じ整流子機構を端子に設ければ、ほぼ回転速度と界磁電流の積に比例する直流出力が得られる。直流発電機は他励、分巻、直巻、複巻の励磁方式によりその特性が異なる。

〔原動機による発電機の差異〕

発電機の構造は、同じ同期発電機であっても原動機の種類や特性によっても変化する。事業用の発電所では水車、蒸気タービン、内燃機関などが原動機として用いられる。
水車発電機は水力発電所で水車で駆動される発電機で、毎分数百〜1000回転程度の比較的低速で運転されるために極数が比較的多く、急激な電気負荷の変動が水車に極端な速度変化を与えないように、はずみ車効果を大きくしてある。最近の揚水発電所用発電機では、揚水時には発電機は電動機として動作し、さらにその始動をサイリスター変換器で周波数制御して行うなど複雑な構成になっている。タービン発電機は毎分3000回転あるいは3600回転という高速で回転するために、遠心力に耐えるよう長くて比較的直径が小さく界磁巻線を埋め込んだ円筒形回転子を用いている。往復動型の内燃機関で駆動される発電機は、トルクの変化に対しても安定に動作するように大きなはずみ車が付加されている。
いずれの方式においても発電機は電気機械であると同時に機械的回転体であるから、軸たわみ、ねじれなどの機械振動の固有振動数が電気回路側から励振されることのないような配慮が必要である。