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高周波

ある基準となる周波数(1秒間の振動数)よりも高い周波数の波をいう。分野によって基準となる周波数が異なるので、高周波という周波数の範囲について一定の定義はない。たとえば有線電気通信の分野では音声周波数より高い周波数の電磁波をいい、周波数が3500Hzをこえる電磁波と定義している。また無線通信の分野では数十kHzから100MHz程度までの範囲を高周波といい、それ以上の周波数は超高周波と呼んでいる。これに対して電力関係では、商用交流周波数(50Hzまたは60Hz)よりも十分高い周波数を高周波と名付けている。

〔通信ヘの応用〕

高周波はさまざまな分野で人間生活に役立っている。通信はその一例である。一般に高い周波数の電磁波は空間中を伝搬しやすく、この性質を利用して無線通信が発達した。有線通信においても高周波帯を有効に利用して1本のケ−ブルで電話を数十〜数干回線送っている。

〔エ業への応用〕

高周波は機械工業や化学工業などの産業面でも広く応用されている。たとえば高周波の電磁界を物体に加えると内部に発熱がおこる。この現象を加熱に利用することを高周波加熱という。これは誘導加熱と誘電加熱に大別される。

@誘導加熱金属

その他の導体に高周波の磁界を加えると渦電流損やヒステリシス損が生ずる。これによる発熱を利用する加熱法が誘導加熱である。加熱に際して電極が不要であるので不純物が混じることが少なく、また、かなりの高温(1400℃以上)が得られるという特徴がある。この加熱法は金属の溶解や精錬、焼入れ、表面硬化、溶接などに応用されている。このような高周波誘導加熱を行うための炉を高周波炉という。使用する周波数は用途により異なるが、数百Hzから数MHzのものが多い。

A誘電加熱

誘電体に強い高周波電界を加えると内部に誘電体損失が生ずる。この損失による発熱を利用する加熱法が誘電加熱である。絶縁物あるいはそれに近いものを内部から加熱するので温度上昇が速くほぼ一様に加熱できるという特徴がある。また温度や加熱速度の調節が容易で、局所的な選択加熱を行うことも可能である。この加熱法は,木材や繊維、穀物、陶磁器その他の高周波乾燥(2〜15MHz),プラスチック薄膜の溶接(高周波ミシン、高周波ウェルダー。40〜200MHz)、熱硬化性プラスチックの成形加工(10〜50MHz)などに応用されている。

〔家庭電器その他への応用〕

一般家庭に普及しつつある電子レンジは高周波誘電加熱を食品の加熱に応用したものである。これは2450MHzの電波を用いている。また、高周波を利用した病気の治療法として高周波療法がある。深部の筋肉層を局所的に温めることができるので温熱療法として応用されている。なお高周波の電気振動を機械振動に変換 すると超音波を発生する。この超音波も洗浄、加工、切削、溶接、冶金、測定など各方面に応用されている。