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人エ衛星

惑星を周回飛行する人工天体。惑星の重力圏内に打ち上げられた物体は、それのもつ初速度の方向と大きさによっていくつかの種類の軌道を描く。ある高度から水平に打ち出された場合、初速度が小さければ、なんども周回飛行をするようになる。
人工衛星も一般の天体と同じようにその運動は、ケプラーの法則に従い、円軌道もしくは楕円軌道を描く。円軌道となるか楕円軌道となるかは速度によって決まり、地球の場合円軌道を描くためには、地表すれすれなら約7.9km/s、地上か200kmの高さなら約7.8km/sの水平速度が必要で(第一宇宙速度)これ以上では楕円軌道となる。さらに初速度が増して約11.2km/s(地表すれすれの場合)に達すると、軌道は放物線となり永久に地球に戻らない(第ニ宇宙速度)。人工衛星となるには、まず推進用ロケットにより適当な高度まで運ばれ、そこで目標軌道に乗るように加速される。この後はその軌道上を飛行するが、高層の大気による抵抗力や地球が完全な球体ではないために生ずる摂動を長期間にわたり受けるので,その軌道はわずかずつ変わっていき、最後には大気圏に突入してしまう。人工衛星の歴史は、1957年にソ連が打ち上げたスプートニク1号に始まる。その後の発展は目覚ましく、ソ連に続いてアメリカ、フランス、そして70年には日本(おおすみ)と中国が打上げに成功した。初期の人工衛星はそのほとんどが科学観測を目的としたものであったが、1960年ころからは種々の目的をもった実用衛星が打ち上げられるようになった。またその規模もしだいに大きくなり、61年にはソ連のガガーリンによる初の有人飛行が行われた。

種類

人工衛星は平和利用を目的とした科学衛星および実用衛星と、軍事利用を目的と した軍事衛星に大別される。このほか惑星間飛行のために一時的に人工衛星となるものもある。

1科学衛星

大気の組成や密度、重力場や磁場、宇宙線の測定など、地球を取り巻く環境の調査、さらに大気圏外からの天体の観測などを目的としている。

2実用衛星

a.気象衛星地球上の雲の分布などを観測して地上に電送し、気象観測や予報の資料を提供する。
b.通信衛星テレビジョンの衛星中継など超短波通信の中継基地として利用され る。
c.航海衛星航行する船舶や航空機に位置などを知らせるもの。
d.測地衛星地球の形状などを正確に測定するためのもの。

3軍事衛星

アメリカ、ソ連を中心に打ち上げられており、高度の軍事機密に属するため詳細 は一般に明らかではないが、発射されたミサイルの早期探知や他国の領土の偵察のほか、核兵器などを搭載した軌道兵器としても開発が行われている模様である。