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電池

熱、光などのエネルギーを電気エネルギーに変える装置。半導体の熱電効果を利用する熱電素子、熱電子放出や光電子放出を用いる太陽電池、光電池、アイソトープ電池などそれぞれエネルギー変換装置としての電池である。これに対して化学反応エネルギーを直接電気エネルギーに変える装置は化学電池またはガルバーニ電池という。たんに電池といえば一般には化学電池をいう。化学電池の多くは、装置に用いられる化学物質に必要なときだけ反応を起こさせて電気エネルギーとして取り出せるので、電気エネルギーの保存装置にもなる。
電池は正、負の電気の取出口となる2個の電極、電極で化学反応を起こさせる物質(活性物質)、電池内部でイオンを運ぶ導電媒質からなる。電池の種類は電池内で起こる化学変化によって多種多様であるが、実用されている蓄電池、乾電池などのほかに金属の腐食や生体膜を通しての呼吸、光合成なども一種の電池作用とみられている。直流電源としての電池は少量の活性物質で大きな電流が得られ、電池の起電力が大きく装置全体が軽量であることが望ましい。このためにアルカリ金属とハロゲンとの反応のように反応物質量当りの反応熱の大きなものは、高エネルギー電池と呼ばれている。
電池の放電によって電流を取り出すとき、電圧降下が少なく、できるだけ大きな電力を得るためには、電極における化学反応を速くしなければならない。このことは利用する化学反応熱が大きいという条件よりもさらに重要である。実用されている乾電池類は、反応が速く大きな電流が得られるようなくふうがされている。大きな電力が得られる電池とは、鉛蓄電池のように内部抵抗が小さく、充電が可能で繰り返し使用できるものである。一般の電池は放電後完全には充電ができないので1次電池といい、鉛蓄電池のように充電が可能なものを2次電池といって区別している。
電極間のイオン導電媒質が電解質溶液であると、電池の内部抵抗は小さいが自己放電が起こりやすく、鉛蓄電池では3か月以内に補充允電をする。乾電池では、人体に埋め込む心臓ぺースメーカーなどの例のように小型で長期間電圧変化の少ないものが要求され、現在ではアルカリ水銀電池類が使われている。燃料を直接電気エネルギーに変換する化学電池は燃料電池として知られ、経費採算をあまり問題としない宇宙船や特殊の目的に使われている。
電源以外の目的でつくられている電池では、起電力が正確に知られている標準電池、電極電位の基準となる水素電極、甘コウ電極とガラス電極を組み合わせたpHメーターなど種類が多い。計測器用の電池は電源用電池と異なり、使用電力はわずかであるから、電極における化学反応の反応熱や反応速度よりも反応が可逆的で取扱いが簡便なものが選ぱれる。化学物質の性質は利用されているが、化学反応を利用するとはみなされない電池としては、重力電池、濃淡電池、気体圧力電池などがある。