地球は内部にいくほど温度が高くなっています。地表の近くでは、100mにつき3℃のわりあいで高くなっていきます。深くなるにつれて温度の上がり方はゆるやかになります。

 さて、マントルの中はどれくらいの温度があるかというと、マントルの上のほうでも1000℃くらいあります。たいていの岩石は1000℃以上になるととけるのですが、マントルの中では圧力がひじょうに高いので、岩石はとけずに固体のままでいます。その圧力は、マントルの底でなんと地上の150万倍もあります。このような高圧のため、マントルの底のほうにある岩石は体積が半分くらいになるまでぎゅうぎゅうにおしちぢめられています。

 マントルはとても複雑なつくりになっています。地震波はふつう深くなるにつれてだんだん速くなっていくのですが、マントルの中には地震波の速さがいきなり速くなる場所があったり、逆に深くなればなるほどおそくなる場所があったりします。また、同じ深さであっても場所によって温度がちがうところがあります。マントルはゆっくりと対流運動をしていて、これがプレートの運動をひきおこすもとになっています。