マントル上部は、冷たくてかたいリソスフェアが熱くてやわらかいアセノスフェアの上にういているような状態になっています。地殻とリソスフェアを合わせた部分のことを「プレート」といい、プレートはやわらかいアセノスフェアに乗ってゆっくりと動いていきます。

 プレートは地殻とマントルの一部からできているものですから、地球の表面はこのプレートにおおわれた状態になっています。プレートが大きな大きな一枚の板だと考えると、地球の表面は何枚かのプレートがジグソーパズルのように組み合わさっていているものだと考えられます。それぞれのプレートは地球の表面を1年間に数cmぐらいのゆっくりとした速さで動いています。

 プレートの運動は、その下にあるマントルの流れによって起こるものです。マントルの流れに乗って、プレートがいっしょに動いていくのです。

 上の図は、プレートが動いていく様子を表したものです。プレートとプレートの境目には、互いに遠ざかるもの、互いに近づいていくもの、水平にすれちがうものがあります。

 

1. プレートとプレートが互いに遠ざかっていく境界

 プレートとプレートが遠ざかっていく境目は海の底にあります。プレートとプレートが遠ざかり、あいた所には下からマントルの熱い物質がのぼってきて新しいプレートが作られていきます。遠ざかっていく境目は、新しいプレートがどんどん生まれてくる場所なのです。またこの境目には、「海嶺(かいれい)」という、海の底に長くつらなる雄大な海底山脈ができます。

 

 

2. プレートとプレートが互いに近づいていく境界

 プレートとプレートが近づいていく境目には2種類あります。1つは、「沈み込み帯(しずみこみたい)」と呼ばれるもので、一方のプレートがもうひとつのプレートの下にもぐりこんでいく場所です。日本列島のすぐ横には、大平洋の方からくるプレートが日本列島の乗っているプレートの下にもぐりこんでいる沈み込み帯があります。プレートがもぐりこんでいくと、海の中には水深の深い「海溝(かいこう)」という地形ができます。日本海溝は水深が1万mをこえる、世界でもっとも水深の深い場所の一つです。もぐりこんだプレートはマントルの中に溶けて、やがて消えてしまいます。

 もう1つは、プレートとプレートが衝突する場所です。ぶつかりあうプレートがどちらも大陸である場合、どちらのプレートも地球の内部にもぐりこむことができないので、プレートの境目はそれぞれ両側からぶつかりあってどんどん押し上げられ、そこには高い山脈ができます。世界でもっとも高いヒマラヤ山脈は、そのむかし1つの大陸だったインドが、プレートの動きによって北上し、アジア大陸と衝突して長い年月の間に高く押し上げられてできた山脈です。

  

 

3. プレートとプレートが互いにすれちがう境界

 となりあう2つのプレートが互いに逆の方向に動いている場合、2つのプレートの境目は水平の方向にすれちがうようなかたちになります。このような境目は「トランスフォーム断層」と呼ばれます。逆方向にプレートが動いているため、すれちがう境目には大きなひずみのエネルギーがたまり、多くの地震が起こります。代表的なトランスフォーム断層であるアメリカ西岸のサンアンドレアス断層では、非常に大きな地震が起こります。