「チェス」と「日本将棋」の大きな違い
チェスも日本将棋も発生はいずれもインドですが、伝わった過程で大きく変化しました。もっとも大きな違いは、チェスは取った駒を使うことはできませんが、日本将棋は取った駒を味方の駒として再び使うことができます。これは日本将棋独特のルールで将棋の面白さを高めています。
中国の自負―「象棋」は中国人が創造したもの?
中国には、古代に優れた文化を築き上げたという自負があります。したがって、中国では「象棋は中国人が創造したものだ」とする考えが一般的なようです。その証拠として、中国にはいくつかの説が伝わっています。たとえば、黄帝(伝説上の皇帝らしい)が創ったという説、神話に登場する神農氏が創ったとする説、戦国時代の兵法家が創ったという説など、いろいろあるようです。
現在、もっとも有力な説は、周の武帝が創ったという説です。この他にも、象棋が古代から存在したという証拠が「象棋史話」「中国象棋史」に登場しています。しかし、中国の象棋史でもっとも不可思議なことは、唐の時代に「八八象棋」、つまり8×8の合計64升目の盤を用いる象棋が存在していたということです。
この8×8の盤を使うゲームは古代インドにアシュタパタとチャトラガとして存在していました。つまり、中国には定着しなかったけれども、インドから伝えられた可能性が高いというわけです。また、モンゴルや、タイ、ビルマ、マレー半島で八八象棋が興じられていることから、唐の時代に近隣諸国に伝来したとも推察されます。すなわち、この八八象棋こそ、中国象棋の最初の段階であり、その後、中国でインドのものとは異なる形で、独特の象棋に発展していったと考えるのが妥当でしょう。
駒は、戦国時代の「軍隊」がモデル!!
駒は、戦国時代の軍隊をモデルに作っています。
大将 ― 玉 |
大砲 ― 角行 |
副官 ― 金・銀 |
鉄砲 ― 香車 |
歩兵・戦車 ― 飛車 |
軍馬 ― 桂馬 |
これらの駒が戦って敵陣をくずし、大将をつかまえるまでのゲームです。
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