CARE #07
部位ごとの対処方法・膝に発生するケガ/骨格を支持する組織の損傷が大きい

膝の構造と障害の原因  

●膝の骨格の構造は非常に簡単で、そのぶん靭帯や関節包が周囲をがっちりと固めています。このことが原因で、膝の障害には靭帯の損傷などが多くなっています。●膝のケガや障害は、筋力の強化や十分なストレッチによって予防できるものが少なくありません。また、O脚やX脚などの足の形に配慮したシューズの選択と補強をするのも大切です。ほかにも、ひざのテーピングをすることでケガの再発を予防する効果も期待できます。

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[実践テーピング]

内側靭帯損傷

●傷害の原因
内側側副靭帯はひざの内側に位置し、大腿骨と脛骨をつないでひざの内側へのずれを防いでいる靭帯です。スキーなどでひざから下が強く外へひねられたとき(外反)に損傷が起こります。また、外反とは逆に強い内反で、外側側副靭帯を損傷するケースもあります。ケガの程度は靭帯の損傷の程度に応じて1度(軽症)から3度(重症)まであります。
●症状
ひざの内側の痛み、特にひざを外から内側へ押したときに痛く、ひざを完全に伸ばすことも困難になります。完全断裂の重症(3度)ではひざがぐらぐらと不安定になります。また、からだの外側に近い靭帯なので腫れも目立ち、数日経ってから出血することもあります。何も治療せずにほうっておいても痛みや腫れは一定期間で無くなりますが、関節のぐらぐらとした感じは残り、慢性化へとつながります。
●対処法
まずは現場でのRICE処置をしっかりと行います。内側側副靭帯の損傷では、よほどひどくなければ包帯やギブスなどによる安静だけで完治させることが可能です。


前十字靭帯損傷

●障害の原因
ひざの靭帯損傷としては最も多いものです。前十字靭帯はひざの前面で大腿骨と脛骨をつなぎ、下腿が前へずれないように保持しています。ひざを後ろからけられたり、ジャンプからの着地の衝撃で切れてしまいます。
●症状
靭帯が切れた瞬間、ポキッというような断裂音があり、ひざを抱えてうずくまってしまうほどの激痛が走ります。翌日頃に大きく貼れてくるのは、関節の中に血がたまるためです。怪我をしてからしばらくは痛みで歩くのも難しいのですが、こうした症状は2週間程度で自然になくなってしまいます。そのため、軽い捻挫と間違えてしまうこともあるのですが、これは慢性化へつながる兆候です。
●対処法
現場ではRICE処置を確実に行います。その上で前十字靭帯損傷の疑いが少しでもある場合はすぐに専門医の診断を受けましょう。慢性化させるとひざがガクガクになり、再びスポーツをすることが難しくなってしまうのだ。スポーツによっては手術するしかないこともあり、手術を避けたいのであればもとのひざを復活させることは望めない。


たな障害

●障害の原因
大腿骨と膝蓋骨の間接内部にある滑膜ひだ(たな)が炎症を起こす障害です。原因はひざの使いすぎによる過労で、滑膜ひだが漆蓋大腿関節に挟まってしまう事によって起こります。また、ひざの打撲が原因となることもあります。
●症状
ひざを曲げ伸ばししたときに、鈍い痛みや引っかかるような感じかあります。また、ひざをゆっくりと伸ばしていくとカチカチという音とともに痛みます。炎症がひどい場合は歩いているときも痛みます。
●対処法
治療は、他の使いすぎによる障害と同じく、安静が一番です。痛みが無くなればそのままスポーツに復帰することが可能です。大腿部のストレッチなどは治療と予防の両面に効果があります。


半月版損傷

●傷害の原因
半月板は三日月型をした軟骨の板で、大腿骨と脛骨の内側と外側の両側にあります。損傷は急な方向転換でひざをひねったり、ジャンプの着地の衝撃によってこの半月板の一部が切れてしまうものです。半月板が単独で損傷する場合もありますが、前述の前十字靭帯とともに断裂したり、関節が他の要因で不安定になっているときに切れたりします。
●症状
半月板はひざの両側に位置しているため、切れた場合はそちら側のひざ側面が痛む事になります。また、貼れてきて関節液がたまったり、ひざの曲げ伸ばしの際に違和感があったりします。また、ひざを曲げるときにゴリゴリと音がしますが、このときに痛みを感じないこともあります。ケガをしたときの痛みが強い場合は靭帯も同時に切れている可能性があります。
●対処法
応急処置ではRICE処置を確実に行います。その上で、ひざが動かしにくいなどの症状が残る場合は手術をする必要があるでしょう。また、慢性化した痛みは練習後のアイスマッサージで緩和されます。また、スクワットなどの大腿筋強化は、予防と治療の療法で効果があります。


靭帯炎

●障害の原因
スポーツを続けているうちにだんだんとひざに痛みが出てくる疲労障害のことです。ひざの外側の靭帯などが炎症を起こします。長距離選手やジョガーに多い障害です。
●症状
痛む場所は膝蓋骨の少し下やひざの外側などです。どちらも運動しているときに痛いほか、日常的にも圧通やにぶい痛みが続きます。また、ひざを曲げるときに痛みの増加する特徴があるため、自然にひざを伸ばしたまま歩くという症状が出ることもあります。
●対処法
治療として休養や練習量の軽減、患部のアイスマッサージ、太ももやひざ周辺のストレッチなどを続けていれば回復します。先天的な足の形の異常も考慮する必要があります。


膝蓋骨脱臼・亜脱臼

●障害の原因
膝蓋骨(ひざの皿)がずれかかる、又は完全にずれてしまうケガです。ジャンプの着地やバスケットボールのピポットなどの動きが障害につながる原因ですが、それ以前に外れやすいかどうかは、もともとのさらの状態や筋力などにも左右されます。さらの位置が高い人、関節が柔らかい人、太ももの筋力が弱い人などにケガが発生しやすく、これが中高校生の女子選手に障害が多いことの理由となっています。
●症状
ひざががくっと崩れるような感覚が走り、強い痛みがあります。しかし、整復しやすいため、完全に外れても次の瞬間にもとに戻ることもあり、脱臼に気付かないケースもあります。このため、他のケガと間違えたり、放置して慢性化させてしまうこともあります。正常なさらの位置は中心より内側で、指で押しても中心からやや外までは動きます。脱臼が起こっている場合はさらに外側へと移動します。
●対処法
前述の通り、比較的整復しやすいので、ひざをゆっくりと伸ばしていくだけでもとの戻ることもあります。整復の有無に関わらず現場では必ず冷却と固定を行い、専門医の診断を受け、骨折の可能性が無いか確かめるようにしましょう。治療はギブスによる安静と固定を行い、しばらくしたら大腿部の筋肉を鍛える事によって治療や予防にもつながります。



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