核燃料サイクル

  1. 核燃料サイクルの種類
  2. プルサーマルの仕組み

プルサーマルの仕組み

  1. プルサーマルの方法と意義     
  2. プルトニウムの利用方法     
  3. プルサーマルを行う事による節約
  4.  
  5. 国際比較→ 3、プルサーマルの使用状況と実績

プルサーマルの方法と意義
 プルサーマルは「プルトニウム」と「サーマルリアクター(熱中性子炉)」とからできた言葉です。プルサーマル計画とは余剰プルトニウムを処理する方法のひとつで、熱中性子を利用する軽水炉などでMOX燃料を燃やさせるというものです。
 プルトニウム239は原子炉の中でウラン238が中性子を吸収し、ウラン239になりそれが二回のベータ崩壊を起こすことによって発生します。使用済み燃料の中にはこのプルトニウム239が多く含まれています。この使用済み燃料から発生したプルトニウムは余剰プルトニウムとして扱われています(海外では核兵器の解体に伴っても発生しています)。余剰プルトニウムだけでも十分燃料として使えますが一度に多くは貯めておけません。なぜかというと、多くのプルトニウムは核兵器転用の恐れがあり核拡散防止条約(NPT)で禁止されているからです。そこで少しでも余剰プルトニウムを安全で確実に減らすためにMOX燃料にして現在使用している原子炉(軽水炉)で燃やしてしまおうというプルサーマル計画が提案されたのです。
プルトニウムの利用方法
 プルトニウムはプルトニウムのみでは燃やせません。なぜならプルトニウム239の割合が燃料全体の93%以上を占めている場合(これは兵器級プルトニウムと呼ばれています)、それは核兵器そのものだからです。この割合を低くするためにMOX燃料という方式を踏襲するのです。プルサーマル時に使われるMOX燃料は天然ウラン劣化ウラン(全体の91%〜96%)に少量のプルトニウム(全体の4%〜9%)を添加したものです。
プルサーマルを行うことによる節約
 通常軽水炉などで燃やされるウラン燃料はウラン235を燃料全体の3%〜5%消費します。プルサーマルではこの消費されるウラン235をプルトニウムにそっくりそのまま置き換えることができるのでウラン235がそれだけ節約されることになります。プルトニウムは高速増殖炉で使用される物と比べると、ただ消費される一方なので節約という面では最低です。
 プルサーマル用MOX燃料は現在使用されている原子炉でそのまま燃やすことができるので経済的な節約になります。

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