核燃料サイクル

  1. 核燃料サイクルの種類
  2. プルサーマルの仕組み

核燃料サイクルの種類

  1. 一回通過方式
  2. プルサーマル
  3. 再処理

核燃料サイクルの図
一回通過方式
プルサーマル
再処理

図の見たいところをクリックして下さい。


一回通過方式
ウラン採掘:ウラン鉱山を探鉱、鉱石を採掘。
製錬:鉱石の中に含まれている様々な不純物を取り除いて(精錬)、イエローケーキ(ウラン精鉱)にします。
濃縮:ウラン235の割合を人工的に増やす事です。方法には様々な種類があり、ガス拡散法、電磁分離法、遠心分離法、レーザー法、化学濃縮法などがあります。ガス拡散法はアメリカやフランスで使われています。しかしこれは多くの電力を消費してしまいます。日本でよく使われているのが遠心分離法です。これはガス拡散法と比べて電力消費料が10分の1ですみ、濃縮の割合も大きくそのうえ工場の規模も3分の1程度ですみます。この方法を行うにはまずイエローケーキを六フッ化ウランという気体にします。この作業を転換といいます。そして分子の重さのごくわずかの差を利用して濃縮します。
* 濃縮する理由:天然のウランにはウラン235が0.7%、ウラン238が99.3%含まれています。原子炉内で使えるようにするにはこのウラン235の割合を増やさなければなりません。例えば軽水炉で使う場合最低でもこの濃度が3〜5%になっていないと臨界状態が維持できないからです。
再転換:濃縮した六フッ化ウランを軽水炉などで燃やせるようにするにはこれを粉末状の二酸化ウランにします。
成型加工:粉末状の二酸化ウランをペレットにしてジルコニウム合金被覆管の中に収納して燃料集合体にします。
発電:燃料集合体を原子炉内で燃やして使用します。
廃棄物処理:使用済み核燃料を処理します。
利点:再利用をしないので、その分だけコストが安い。
欠点:ウランは使い捨てなので資源の節約にはならない。

プルサーマル
一回通過方式と途中まで同じです。
MOX燃料加工:分離されたウランとプルトニウムを使いMOX燃料にします。MOX燃料の燃料要素や集合体の大きさや形はウラン燃料とまったく同じです。プルトニウムの混ぜられた燃料はウラン燃料と同じく、ペレットに焼き固められ、燃料被覆管内に密閉されて燃料棒となり、燃料集合体に組み立てられて使用されます。使用方法はウラン燃料と変わりませんが、炉心に装荷する割合は今のところ炉心の3分の1となっています。
再処理
一回通過方式と途中まで同じ
再処理:使用済み燃料の中には燃え残りのウラン、プルトニウム、核分裂生成物が含まれています。これらを化学的な操作で分離する事を再処理といいます。まず貯蔵プールで使用済み燃料を冷却します。次にこれをせん断して細かくし、硝酸を満たした溶解槽にいれ中身の燃料を溶かします。そして有機溶媒を使ってそれぞれ分離します。

TOPへTOPへ