核分裂について

  1. ウランとプルトニウムの種類

ウランとプルトニウムの種類

       
  1. 核分裂について    
  2. プルトニウムについて    
  3. ウランについて

核分裂について
 原子力発電ではウランプルトニウムなどの原子の核分裂によってエネルギーを得ています。+の電気を持つ陽子と電荷を持たない中性子からなる原子核の周りを−の電荷を持つ電子がまわっていて1つの原子となっています。原子は陽子の数によってその種類が決まります。また、電子の質量は原子の中でもっとも軽い水素原子の質量の1840分の1と非常に軽いため、陽子と中性子の数を合わせたものを質量数といいそれでおよその質量を表しています。原子の中には陽子の数は同じで中性子の数だけが違うものが存在します。この質量数の違う原子のことを同位体(アイソトープ)といい同位体は化学的な性質は似ていますが、同じ原子でも同位体によって核分裂をするものやしないものがあります。核分裂とはウラン、トリウム、プルトニウムなど原子番号の大きい、重い原子の原子核が中性子などを吸収することで割れて2つの原子にわかれることをいいます。核分裂の時には大きなエネルギーと放射線や2,3個の中性子などを発生し、このエネルギーを原子力として原子力発電や原子爆弾に使われています。
 核分裂のよるエネルギーは非常に大きく、1gのウラン235が核分裂すると約火薬20t分のエネルギーを放出します。核分裂しやすい物質は放出された中性子によってさらに核分裂が連続して起こることがあります。これを連鎖反応といい連鎖反応が起きるためには分裂した核から生じた中性子がすぐに次の核にぶつかるように高密度である程度のまとまった量が必要です。連鎖反応が起こり続けることを臨界といい、臨界が起こる量のことを臨界量といいます。

プルトニウムについて
 プルトニウムは1940年にアメリカの科学者シーボーグによって発見された原子番号94の元素です。冥王星(プルトー)にちなんで名がつけられました。あまりにも重い原子なため天然には極微量しか存在せず、人工的に作られました。プルトニウムには2つの毒性があります。放射線学的毒性と化学的毒性です。化学毒性は他の重金属と同じくらいですが、放射線学的毒性は特に大きくプルトニウム241以外はアルファ線を出します。その放射能は非常に強く体内から排出されにくいため大変危険です。現在の核兵器に使われているのはプルトニウムです。長崎におとされた原子爆弾はプルトニウム爆弾でした。また、ウランより核分裂しやすく臨界量は12.5kgです。このように危険な物質なので国際原子力機関(IAEA)が査察・管理をして軍事転用されないようにしています。またプルトニウムの半減期は2.4×10**4年と長くその管理方法も問題になっています。
 また、プルトニウムには質量数238、239、240、241、242など15の同位体があります。軽水炉でウラン燃料を燃焼させたとき質量数235のウランは核分裂を起こし中性子を放出します。この時発生した中性子を核分裂しないウラン238が吸収することによってウラン238からウラン239になります。このウラン239が半減期23分でベータ崩壊してネプツニウム239となり、もう一度ベータ崩壊してプルトニウム−239になるのです。さらにこのプルトニウムが中性子を吸収するとプルトニウム240、241、242が生成されます。すべてのプルトニウムはこのようにして作られているのです。このなかで普通の原子炉(軽水炉)で核分裂をするのは質量数239と241のプルトニウムで核燃料として使用できます。こうして原子炉の中でできた核分裂をするプルトニウムは現在の原子炉でも燃料として原子炉に装着したウラン燃料とともに発電に利用されており、発電量の30〜40%はプルトニウムの核分裂のエネルギーによるものになっています。

ウランについて
 ウランは比重18.7の金属で自然に存在する元素の中で一番重い元素です。原子番号は92でいくつかの同位体が存在します。天然ウランはウラン238が99.3%、ウラン235が0.7%、ウラン234が極微量含まれていますが、これらはすべてアルファ線を放出します。ウランには放射能がありますが放出するのがアルファ線なので、放射線による障害よりも化学的な毒性の方が問題があります。天然ウランはベータ線ガンマ線も放出していますが、これらはウランから生成された別の物質から放出されるものです。天然ウランが放出するガンマ線のエネルギーは小さく、ウランが吸収する量も多いため、外部からの被曝による危険は少ないといえます。
 また、ウラン235は核分裂をする原子で、その臨界量は20%の濃縮ウランで約20kgです。ウラン235は低速な中性子を吸収するとウラン236になりすぐに核分裂をします。この時に発生するエネルギーが原子力として利用されているものです。ウラン238は核分裂しませんが中性子を吸収することでプルトニウムの原料となっています。

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