環境への影響

  1. 二酸化炭素の排出量
  2. 放射線の基準と被爆

放射線の基準と被爆

  1. 放射線の基準
  2. 被爆
放射線の基準
被曝線量解析
 国では公衆の受ける被曝線量を0.05ミリシーベルト以下とする目標値を定めています。この目標値を超えていないことを確認するため被曝線量解析を行っています。
気体は放射性希ガスと放射性ヨウ素、液体では排水とともに海へ排出される可能性のあるヨウ素、マンガン54、コバルト60、スロトンチウム90、セシウム137、トリチウムなどの放射性物質からの放射線量を計算します。気体廃棄物については放射性希ガスのガンマ線による外部被曝と放射性ヨウ素を呼吸や農作物・牛乳などの摂取でとりこんだことによる内部被曝、液体廃棄物では放射性物質を海産物とともに取り込んだことによる内部被曝について計算しています。
これらに加えて原子炉設備による放射性物質の除去の割合を低く見積もったり、放射性物質の濃度は、最高となる敷地境界上の空気中濃度と排水口の濃度を使い解析に利用する、人の呼吸・農作物・海産物の摂取量を大きくして計算するなど実際にはない条件で年間実効線量当量が大きくなるように計算して出した値で目標値と比較を行い安全性を確認しています。このように出した年間実効線量は目標値の0.05ミリシーベルトを大きく下回り安全性が確認されています。

1975年5月に原子力委員会が「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に関する指針」が定められ、この中で運転中に発電所から放出される放射線物質によって公衆が受ける線量の目標値を年間0.05ミリシーベルト(全身)とする、となりました。日本の発電所運転実績も建設中の発電所の安全評価も0.05ミリシーベルトを下回る値になっています。これで放射線審議委員会の審査を経てさらにICRPで定められた基準1ミリシーベルトの20分の1以下のレベルに抑えられるということになります。この基準値は蓄積される事も考慮に入れてさだめられています。

モニタリング
放射線を定期的に、または連続的に測定監視することをいいます。原子力施設の周辺には環境放射線モニタリングが行われています。

モニタリングカー
放射線や放射能を測定する機械をつんで、広い地域でモニタリングしています。
モニタリングステーション
環境放射線の測定に加えて空気中に含まれる放射能や気象データを測定しています。
環境資料採取(陸上)
葉菜、牛乳、土壌、雨や水、河川水などをサンプリングし、放射能を測定しています。
環境資料採取(海上)
魚介類、海草、海水などをサンプリングし放射能を測定しています。
モニタリングポスト
原子力施設の敷地周辺では、環境放射線を連続して測定します。

自然放射線 実効線量当量
(ミリシーベルト)
人工放射線
ブラジルガラパリ市街地の自然放射量10  
  6.9 胸部X線コンピュータ(一回)
世界平均一人あたりの自然放射線量
(宇宙から0.38、大地から0.46、食物から0.24)
1.1  
  1.0 一般公衆の線量限度(年間・医療は除く)
  0.6 胃のX線集団検診(一回)
国内自然放射線の差(年間)
(県別平均値の差の最大)
0.4  
東京〜ニューヨーク航空機旅行(往復)
=高度による宇宙線の増加
0.19  
  0.05胸のX線集団検診(一回)
軽水炉原子力発電所周辺の線量目標値(年間)
出典:「原子力発電'99」資源エネルギー庁編集

被爆
被曝について
 人体が放射線を浴びることを被曝といいます。被曝によって人体の細胞は放射線の電離作用の影響を受けさまざまな障害が起こります。
 外からベータ線やガンマ線などの放射線を浴びることを外部被曝、体の中に放射性物質が取り込まれ内側から放射線を浴びることを内部被曝といいます。
 内部被曝では気体によるもの、魚介類に取り込まれていたり農作物に付着していて体の中に入るものなどがあります。
放射線障害について
 放射線は普段の生活でも年間1.1シーベルトほど受けていますが、被曝の影響を考える時にはその量が重要です。
 一定量以上のまとまった量を浴びると非確率的影響といわれる決まった症状が現れてきます。この症状はある程度以下の被曝では起こりません。大量の放射線を1度に浴びると急性障害といわれる吐き気・倦怠・リンパ球の減少・脱毛・やけどなどが起こりひどい場合には死にます。
 これに対して確率的影響といわれる障害があります。これは被曝量がどんなに少なくてもそれなりの割合で起こってくるものです。しきい値というこれ以下なら安全であるという値が存在しないためできるだけ被曝量を少なくすることが重要になります。これによって起こるものは晩発性障害といわれる白血病やガンになる確率の増加や遺伝的障害といわれるDNAの損傷です。これらは、放射線の電離作用によって細胞のDNAを傷つけたかどうかによって将来起こるかどうかが決まるので確率的障害なのです。
 また、放射線物質の形状も気にする必要があります。例えば、放射性希ガスは外に漏れやすく吸い込みやすいものです。また、ヨウ素のように日本人が豊富に海藻類に含まれる通常のヨウ素を摂取しているために体の中に放射性のものがたまりづらい物もあります。プルトニウム酸化物を吸い込んだ場合、消化器系にはとりこまれにくく、呼吸器には付着しやすいため肺がんになる可能性が高くなっています。このように臓器ごとの影響の受けやすさも形状によって決まってきます。
 原子爆弾による急性の影響ははっきりわかってきていますが晩発性・遺伝的障害の影響はまだはっきりしていません。


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