2.テトラコード

 

 古代ギリシャにおけるテトラコードは主に3種類あり、そのテトラコードの組み合わせによってさまざまな音階がつくられた。テトラコードとは、4度関係の二つの音を固定しておき、そのあいだに2つの音を挟み込んだ4音の音列のことである。間にはさまれた2音の音程の大きさの違いによって、ダイアトニック、クロマティック、エンハーモニックという3種類のテトラコードが分類される。その3種類は、以下のような音程の配列になっている。

   ダイアトニック:2個の全音と1個の半音

   クロマティック:1個の全音半と2個の半音

   エンハーモニック:1個の二全音と2個の微分音(四分の一音)

さて、これらのテトラコードは2つを連結させて使うのだが、その方法は2種類ある。2つのテトラコードの上端と下端を重複させて連結する「接続型」と、間に全音1個分の間隔をおいて連結する「分離型」である。このような2つの連結の組み合わせによって、さらに広い音域をカバーする「大完全音階」と呼ばれるものが登場した。この音階は、2オクターブ15音に及び、その中心に位置する音は「メセー」と呼ばれており、旋法の中心音としての役割を持っている。