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アレルギーを持っている人

アレルギーのとらえ方

アレルギーを持っている人の大部分は、それらのアレルギーと一生を共にしなければなりません。自分の人生がアレルギーによって必要以上に邪魔されないようにするためには、罹患している自分自身が自分のアレルギー症状を正しく把握し向き合い、最終的には日常生活の一部分として受け入れることが必要とされると思います。

知識が必要!

まず、そのためにはアレルギーに関する正しい知識が必要となります。自分の思い込みによって必要以上に気を配ってしまいその労力が無駄になったり、逆に無知だったが故にアレルギーによる必要以上のダメージを受けてしまうこともあります。特に慢性的なアレルギー疾患だった場合は、長い目で見るととても損をしているものと見られます。よって自分のアレルギーを把握するためには、これまで私達が説明してきたようなアレルギー関連の一連の知識を習得しておかなければならないのです。図書館や医療誌のほかにも、今はインターネットなどにもアレルギーだった方の体験記や本サイトのような情報サイト、医療機関のホームページなどで知識が提供されているので調べてみましょう。

検査を受けましょう

自分のアレルギーに関してより詳しく知りたい時には医療機関に行くことをお勧めします。やはりどうしても自分の知識や力だけでは分からないものはあります。
例えば、自分はスギ花粉症なのかヒノキ花粉症なのか、自分は卵アレルギーだが果たしてどのくらいまで卵を食べても大丈夫なのか。このようなものは、自分だけの力では対処できないので医療機関に行ったりアレルギー検査を受けましょう。


アレルギーの治療

また、アレルギーの治療を行うという場合には、専門医かかりつけ医を作り両者の連携をとって治療方針を決めていけるようにすることが最善です。ここで言う専門医というのは大学病院のようなしっかりとした設備を有し、それをもって治療が可能な医師のことです。なぜ医師が二人も必要なのかと疑問に思う方もいるかもしれません。簡潔に言うならば適材適所ということです。もし仮に、アレルギーを持っている人全員が初めから専門医に治療を求めるとどうなるでしょうか。専門医としては、それぞれのカルテを一から作らねばなりませんし、対応だって全員が本格的な治療かどうか見極めなければならず負担が大きくなってしまいます。かかりつけ医のような普段の状態がわかっており、かつ気軽に受診することができる医師と連携することで、効率的な医療を受けることができるのです。

対策を万全に!

自分の日常生活中において正しく共存する上で最も重要なのは原因物質の除去です。とはいっても、「念のため」と言って原因物質を完全に除去することが最善ではありません。必要最低限の除去に抑え、医者と相談しながら安全な量を探ることが大切です。何事もバランスが大事なのです。
常日頃からアレルギーに対する対策を万全にする必要があります。また、その他にも自分でできるアレルギー対策は万全にしておきましょう。例をあげると、重篤なアレルギー症状が起きた時に備えてエピペンを用意しておく、自分は重度の花粉症なので医師に相談し花粉シーズンの数ヶ月前から定期的に薬を飲むようにする、などです。 自分の生活の質を向上させるためにも、このような対策を惜しまずに自分から積極的にすることがQOLを高水準で保つことにつながる最良な鍵だと思います。

子どものアレルギー

さらに、子供がアレルギーを持っているという方も多いと思われます。このような保護者の対応として大切なのは、園や学校だけに任せず、情報を共有することです。情報漏れを考慮し、口頭ではなく文書で伝える方が望ましいでしょう。給食などで食物除去を希望するときは、生活管理指導表を提出する必要があります。
さらに、緊急時のためにも、以下のことを決めておく必要があります。

  • 緊急時の搬送先
  • 保護者への連絡方法
  • 薬の取り扱い方

他にも、子供のアレルギー症状を記載したカードを持たせたり、保健室に薬を預けておくと安心です。

考察

私は日本国内における現状として、自分がアレルギーと疑われる時に積極的に検証して対策をしようという意志が全体的に弱い印象を受けます。その理由としていくつか挙げられます。
まず、一つ目の理由が、アレルギーと疑われる反応を示した人の検診率の低さです。アレルギーと疑われる症状が出た人のうち、実際に医療機関に行き受診した人は半分にも満たないほどしかいません。
確かに、アレルギーと疑われる症状が出ても、実際にアレルギーと判明する割合は約15%と低めではあります。ですが、もし自分がその15%であり、これから一生付き合っていかなければならないと考えると受診すべきだとは思いませんか?
自分のQOLを上げるためにも、試しにでもいいので医療機関で検査を受けるようにするべきです。

二つ目の理由としてはアレルギー疾患関連死亡者数の多さです。日本国内では、一年あたり4000人の方々がアレルギー疾患により死亡しています。これは先進国の中では比較的多い方です。一人の意識の改善でこの数字はさらに下げられるはずです。正しい知識を身に着け、アレルギーの「自己管理」ができるように自発的に動くことが大切だと考えます。(高1I、高1M)

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