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アレルギーの体験談

このページでは、身近な方々から掲載許可を頂けたアレルギーに関する体験談を載せ、それらに対する予防策などを考え掲載しています。このページの体験談をもとに、アレルギーについて深く考えましょう。
また、私たちのチームがコンピュータ部という一つの部活から構成されているのを生かし、サイトに対する改善点やアレルギーに関する体験談を650件程アンケート形式で集めました。ここでは、それらの中から掲載許可を頂けたものも用いています。

花粉アレルギーに関する体験談

女子小学生「毎年春になるとスギ花粉がつらいです」
男子中学生「スギアレルギーが強すぎて減感作注射を受けることになりました」
女子小学生「私はブタクサアレルギーです。ある日ハロウィンパーティーに参加し、草の場で遊んでしまったら次の日の朝、顔がボクサーになぐられたような顔になっていました。その時、私は初めて自身がブタクサアレルギーだと知りました」
グループメンバー「私はほとんどの植物の花粉に対して花粉症を持っています。症状の痒みで過剰に目を擦り、角膜が傷つき失明しそうになりました。症状の目ヤニで瞼が開かない朝があり、お湯で溶かしながらこすり落とす羽目になりました。症状の鼻水がのどに落ち、窒息しかけたこともありました。花粉の飛散量が著しく多かった週、学校の許可を貰って岡山県津山市の実家に避難しました。市販の一般的に想像されるようなマスクではなく、医療プロ用の硬質なマスクを装備して少年期を過ごしました」

これらの体験談は、全て植物の花粉がアレルゲンとなって症状を引き起こしている、“花粉症”というものです。花粉症という名前を新聞やテレビでよく聞くこのご時世、今回集まったアンケートや周囲の人物の中でも、知名度に見合う高い割合を占めていました。同サイトの該当項目でも取り上げていますが、六年前の時点で花粉症患者は全国民の中の1/4を占めています。このグループも5人中5人が花粉症患者です。年々患者が増えていることや診断されていないだけでアレルギーを持っている方の存在を考えると、相当な人数の患者がいると考えられます。

予防・対策

花粉症予防策として、定番の“外出時のマスク装着”“幼少期に花粉への接触を避ける”はもちろん、“過度な乾燥の防止”というものも挙げられます。ここ数十年で花粉症患者が増えている原因の一つに、空調設備の性能の向上による空気の乾燥が引き起こす鼻の乾燥、つまりドライノーズがあるといわれています。花粉症の罹患を避けたければ、空調の設定や室内湿度を気にしてみるといいかもしれません。
花粉症症状そのものへの対策としてはまず、ティッシュやマスク等、“外出時にくしゃみや鼻水などの症状に対策できるものを携帯すること”が考えられます。自身はもちろん他者に症状で迷惑をかけないためにも必須の準備です。
症状そのものを起こさないための対策としては、“医療機関に相談する”や“薬を購入するか処方してもらう”、“排気ガスを代表とする症状を悪化させる物質から離れる”というものが挙げられます。医療のプロの方々は、私たちのような素人とは違う、患者本人に適した改善方法や治療方法を教えてくださいます。
次に薬についてです。「花粉症の薬は眠くなるから使うに使えない」という声をちらほらと耳にしますが、現代の医療技術の発達は凄まじく、今現在の多くの花粉症の薬には眠気を誘発する副作用は含まれていません。班員の花粉症患者も「薬を使うだけでかなり過ごしやすさが変わる」「使い始めるまでと比べて、かなり症状が減った」「むしろ薬が切れた時が困る為に、常に欠かせない程になっている」と言う程に効果は絶大です。
最後に、アレルギー症状を深刻化させる物質から避ける、という方法についてです。日本が高度経済成長期を迎えたタイミングでアレルギーを持っている人が急速に増えた理由には、“アレルギーの概念が浸透し始めた”や“針葉樹林の植樹”の他に、“大気汚染による症状の悪化”というものがあります。同サイトで解説した通り、そもそも花粉症の症状はIgE抗体が引き起こすものです。
東京大学が行った実験では、実験で花粉単体を注入したマウスと、排気ガスの微粒子を同時に注射したマウスを比較したところ、後者のみから大量のIgE抗体が検出されたそうです。このように、排気ガスが都市部の花粉症患者が多い要因の一つであると考えられます。また、排気ガスの他にも、黄土やほこりなども症状を悪化させると考えられています。
これらから、体験談中の班員のように、排気ガスの少ない地方に避難することも立派な対策と言えるでしょう。実際に避難した班員から、「山の近くなので花粉は都市部より多いはずなのに、症状は不思議と収まった」という話も聞いています。

食物アレルギーに関する体験談

男子小学生「キウイアレルギーを持っています」
小学生「いくらを食べて気持ち悪くなり調べたところ魚卵アレルギーでした」
部活のコーチ「私はそばアレルギーですが、ある日父親にそばまんじゅうをそばが入っていると知らずに食べさせられ、死にそうになりました。ちなみに実家はそば屋です」
成人男性「小学生の頃、小麦+運動のアレルギーでした。その後成長とともに変化し、今では歯磨き粉やシャンプーに反応するようになりました。このサイトを通して、“ナフサ”が原因なのかもしれないと疑いが出てきました。また、疑っていた別の原因が違うのだと判明しました」
女子大学生「私は香辛料アレルギーを患っており、アレルゲンが調味料としてよく用いられるために、飲食店等では多くのメニューが頼めないことが多いです。試しこそしませんが、カレー等を完食しようとしたら命懸けになると思います」

次は、食物に関するアレルギーの体験談です。花粉症の知名度が“花粉症”として上がっていることや、食物アレルギーの症状が比較的重篤なこともあり、最もアレルギーらしいアレルギーと言えます。本サイトの食物アレルギーの項目から各食物のアレルギー症状は確認できますが、寄せられた体験談からも分かる通り、食物アレルギーは症状が重篤化しやすく、命に関わりやすいアレルギーです。

予防・対策

まず予防についてですが、“妊娠期間中にアレルゲンとなりやすいものを食べすぎない”というものがあります。これは妊婦ではなく、胎児側がアレルギーを罹患する恐れがあるからです。例を挙げると、先程の体験談を提供してくださったコーチが“実家が蕎麦屋で蕎麦アレルギー”というケースです。薬学部の授業を受けている本人曰く、「妊娠期に母体が摂取したものがアレルゲンになることがあるから、恐らくそれだろう」とのことです。
他の予防策ですが、“幼少期にアレルゲン化しやすい食べ物を過度に摂取することを避ける”“年齢を問わず1つの食物だけを偏って摂取することを避ける”というものがあります。前者は幼少期にアレルギーに罹患しやすいこと、後者は「特定の食物を摂取し続ける〇〇ダイエットでそのアレルギーになった」という話から来ています。
アレルゲンを完全除去するのも対策の1つです。しかし、自身のアレルゲンに対する症状を知り、可能な範囲で摂取することも大切な対策です。
あくまでアレルギーは“アレルギーを起こさない”ではなく、“アレルギーを改善して治す”というのが最終的な目的です。そのためには、積極的に検査を受け、自身がどの程度アレルゲンを避けなければいけないのか、どの程度までなら食べられるのか、を把握する必要があります。周囲の人間や家族のため、そして何よりも自身のためにも医療機関と連携を取り、アレルギーを治すことを目指しましょう。とはいえ、実際それは難しいことです。症状が出ない範囲を知り、可能な限りで摂取し、慣らすことはとても大切なことです。
しかし落花生を代表とした、そもそもアレルゲンを少し摂取しただけで命の危機に瀕する、という食材もあり、完全除去せざるを得ない場合もあります。

動物アレルギーに関する体験談

「私は猫アレルギーです。それを知らずに猫を飼っているお友達の家へお泊りに行って、夜、呼吸困難になってしまいました。子供から動物を飼いたいといわれますが、残念ながら飼うことが出来ません。娘にはアレルギーがない事を願っています」

動物アレルギーは、動物のフケや体液によって引き起こされるアレルギーもありますが、それらに付着したダニやハウスダストによって引き起こされているものも少なくありません。

予防・対策

まず対策に関してです。動物は関わらないのが一番ですが、体験談のように、ペットという接触を避けづらいケースもあります。その場合は、アレルゲンである飛散物を減らすことが考えられます。先述した通り動物アレルギーとは動物そのものよりも、動物から飛び散る様々に対してのアレルギーです。そこで動物や動物の周辺を綺麗に掃除することで、ある程度は症状を抑えられます。
予防とは少し違いますが、動物をペットとして飼う前にアレルギー検査を受けるというのがあります。近年のアレルギー増加もあり、「飼い始めたらアレルギーが出たので捨てる」という理由で捨てられる動物も決して少なくありません。アレルギー検査体験記のページにも記載していますが、費用も手間もそこまでかかりません。
自身と動物のためにも、是非飼い始める前に検査を受けてみてください。

周辺環境に関する体験談

男子小学生「家が多摩川の近くなのでもともとあったアレルギーがひどくなりました。住環境によって体質もかわるそうです。うまくつきあっていこうと思います」

最後は、周辺環境に関するアレルギーの体験談です。投稿された体験談の多摩川の付近という地域そのものについては、投稿者のアレルギーが不明であることもあり、具体的には何も言及出来ません。しかし、周辺環境がアレルギー症状を悪化させることはよくある例です。
花粉症に関する体験談で取り扱った、大気汚染そのものがアレルギー症状を引き起こしているという例もあります。

予防・対策

周辺環境に関しては、予防も対策も一概に、“環境そのものを改善する”か“環境から隔離する”というものが考えられます。現実味がある後者を考えると、物理的な接触を断つ、遠方へと避難する、等があります。先程例に挙げた花粉症の話でも、最後は体験者が岡山に避難しており、これも有効な対策と言えるでしょう。

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