□ウェゲナーの大陸移動説。□

有名な、あのウェゲナーの大陸移動説について紹介します。
彼がどのように大陸移動説を考え付いたのか。。。その後地学はどうなったのか。。。

○どのように考えた?○

大陸移動説とは、ウェゲナーという人が考えた、現在の地球上にある大陸は、時代とともに移動し、分裂、接合を行い、その結果、現在の位置に至ったという説です。

ウェゲナーは、ドイツの気象学者。南アメリカと、アフリカ大陸の海岸線が似通っている事実について、初めて本気で解明しようと思い立った人でもあります。
ウェゲナーは、気球による高層気象観測を続けるうち、海岸線の形の不思議さに魅せられ、地球そのものの進化について、深く考えるようになっていったのでした。


南アメリカ大陸とアフリカ大陸を思い浮かべてください。
下の図のように、この二つの大陸は、少しずらすと、海岸線がぴたりと一致します。 

つまり、南アメリカ大陸とアフリカ大陸は、大昔にはひとつの大陸だった、と考えることができるのです。
このことから、ウェゲナーは『大陸が移動し、こうなったのではないか。。。』と、思い始めたのです。

○立証・・・○

しかし、思い当たったといっても、それだけでは学会はウェゲナーの説を認めてはくれません。
証拠をあげ、立証付ける必要があったのです。

ウェゲナーは、この4000kmもの距離はなれている両大陸をが、昔は一体だったということを裏付けるための証拠として、両大陸には同じカタツムリが生息していることや、
過去の動植物の化石山脈の連なり方、岩石に残された氷河の傷跡などを挙げ、1915年に、

「大昔には、大陸は全てひとつだったのではないか(つまり、大陸は移動して分裂、接合を行い、繰り返し、現在に至った)」
「二億年ほど前、超大陸パンゲアが分裂して、その形や大きさをほとんど変えずに地表に沿って水平に移動し、現在の大陸は位置になった」

と考える大陸移動説、「大陸と海洋の起源」という論文を発表した。

○大陸移動説への反応は?○

しかし、大陸移動説は当時の地球物理学界の学者などから「重たい大陸を動かす力など考えられない」と反論され、立ち消えに向かってしまいます。。

しかしそれまでの間、受け入れられることが無かったウェゲナーは、学会から手痛い反論を受け、『素人談義』とか、『物好きな狂人』と、批判されてしまいます。気象学者ウェゲナーは、学会から葬られかけてしまったのです。
1930年、ウェゲナーは気象観測のために、グリーンランド探検に参加し、失意のうちに消息をたってしまいます。。。

それでも、アフリカ共和国のある地質学者は、大陸移動説を裏付けるためにデータを大量に手に入れ、「どの大陸も、形だけでなく、ひきちぎった新聞紙の行間がぴったりと合うように一致する」と、大陸移動説を支持し続けました。山脈や岩石の種類、地質構造まで、ぴたりと一致することを発見したのです。

○大陸移動説、復活。○

大陸移動説は、学会から追放、立ち消えてしまいましたが、1950年代に入り、復活の兆しを見せ始めます。
大陸移動説を裏付ける証拠として、新たに『地磁気』が発見されたからです。

地磁気というのは、地球は大きな磁石、と言われていることからも解るように、北極、南極でS極、N極という磁気を持っています。
溶岩に混じって地中から噴き出す鉄分は、冷えて結晶化するときに、地磁気の影響を受け、コンパスのように向きをそろえるのです。
つまり岩石が固まった時代に地磁気の向きが、固定されるわけなのです。

と、いうことはその岩石が固まった時代、どのような向きを向いていたのかが解る。当時の北磁極(北極)の位置が推定できるのです。
調べてみると、下の図のように、両大陸が昔、ひとつの大陸だったとするならば、北磁極の軌跡が一致するのです。こういったことから、ウェゲナーの大陸移動説は、裏付けられ、見事に返り咲いたのでした。・・・

ともかく、ウェゲナーの思いはこうして報われたのでした。どうして大陸が動けるのかどうかについては、プレートテクトニクス、プルームテクトニクスを参照してください。