水滸伝
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水滸伝




喫菜事魔(きっさいじま)

【解説】
やさいべて魔につかえるという南中国の民間信仰。喫菜事魔の信仰では不殺生を教養とし、人はもちろん動物も殺さず、いきおい菜食主義となる。それなら結構なことであるはずだが、強固に団結して助け合うとなると、官から見れば徒党を組むということになり、そのつかえる神をまつるのに男女入り混じって集会するので礼教に背くということになる。まして信徒が死ぬと、裸にして布袋に入れて葬式をするので、良風美俗に甚だしく違反することになる。そこで北宋政府から睨まれ、その信仰を奉するものは財産を没収し、一家ことごとく流罪となり、密告者には没収した財産の半分を与えるという厳しさで迫害された。


金華将軍(きんかしょうぐん)

【解説】
金華太保きんかたいほ金華大候きんかたいこう。『水滸伝』の浪裏白跳張順ろうりはくちょうちょうじゅんが、死後、神として祀られたときの名。


西渓村の鬼(せいけいそんのき)

【解説】
「山東は心州うん城県には大きな谷川が流れていて、それを境に東渓村、西渓村の二ヵ村があった。昔、西渓村にはほぼ毎日ゆうれいが出て、真っ昼間でも人を惑わして谷川へ引き込み、村民は弱りきっていた。ある日1人の僧が事の次第をきき、ある地点を指さして、そこに青石の塔を建て、谷川の幽怪を鎮めた。」(『水滸伝』第14回)原文には、人を引きずり込むのは、ただ"ゆうれい"とあるだけだが、この"鬼"はおそらく水鬼すいき水落鬼すいらくき水侵鬼(すいしんきと呼ばれる霊であろうといわれている。


陳摶(ちんたん)

【解説】
後周から北宋初期に活躍した道士、仙人。字は図南となん亳州はくしゅうは真源の人、扶搖子と号したが、雲先生・希夷先生などの号を後周の世宗(在位954〜959)や北宋の太祖(在位976〜997)から賜ったといい、多くの帝王から手厚く待遇されたことを伝える。このうち後周の世宗に956年、召されて黄白の術(錬金術・金丹の製法)を問われ、「それは天子の関心されることではありますまい、政治にお励み下さい」と答え、世宗は陳摶をますます尊んだというのは本当らしい。


鄭魔君(ていまくん)

【解説】
『水滸伝』も終わりに近い第117回にいたって登場する妖術使い。名は鄭彪ていひょう。武芸にもすぐれ、妖気を同時に使う。


溺鬼(できき)

【解説】
水に溺れて死んだ人のゆうれい。ある河川の水域でよく水死人が出る、そういう所にこういう話が出る。ある水域では水中から岸に近づいた人の名を呼ぶ。もし、うっかり返事をすると、水中に引きずり込まれて溺死してしまう。


毒焔鬼王寇滅(どくえんきおうこうけつ)

【解説】
火術を得意とする妖術使い。赤い戦 に赤い馬、鉄の道冠の下の髪は短くてもしゃもしゃ。どすぐろい醜怪な面貌で火術を使うので、河北の人々が毒焔鬼王と渾名をしたのだという。(『水滸伝』第108回)


二会子(にかいし)

【解説】
“左道”と“金剛禅”の二つを解するもの。どちらもいわゆる妖術・邪法のことで、左道とは道家・仙家(道教)のほうでいい、金剛禅とは仏家(仏教)のほうでいう。それなら同じ妖邪の術を違う宗教の立場からいうだけだと思われるが、仏教でも元々インドで発生したときから怪しい術を使う者はあった。それが中国に伝わり、そのうえ道教がさかんになって、仏教徒でも「道教・仏術」を使う者が現れるようになった。


馬霊(ばれい)

【解説】
『水滸伝』で朝廷に帰順した梁山泊軍が戦った河北の田虎に加担した妖術使い。むしろ一種の妖怪人間で『封神演義』のなた太子のように風火の二輪を踏んで一日に千里を走るので、「神駒子しんくし」という渾名がある。金專きんせんを投げて人を殺す術にも長じ、戦場に立つと、その額にもう一個の妖眼が現れるので「小華光」とも呼ばれたという。(nata_01をコピペ)三太子と第三眼を持ち金專というなげ弾を使う猛神たけがみ・華光とを混ぜたような怪人物。


伏魔殿(ふくまでん)

【解説】
全篇の発端となる108人の魔王を封じ込めた殿堂(『水滸伝』第1回)


碧霞元君(へきかげんくん)

【解説】
泰山府君(東岳大帝)の娘にあたる女神。天仙聖母。天仙娘娘。父神である泰山府君にも負けない信仰を集めていた碧霞元君は、泰山三郎 や泰山四郎の姉か妹にあたるわだが、衆人の帰依ということにかけては兄弟よりも遙かに上である。女仙・女神の中では西王母以上といってもよく、多くの宮観・廟宇びょううにその神像がもうもうと香の煙を浴びている。泰山の頂にある碧霞宮はその本山、華北では妙峰山霊感官が名高く、五月(陰暦)の娘娘祭は大勢の人を集めるという。


羅真人(らしんじん)

【解説】
仙人。梁山泊に集う“百八人の英雄好漢”のうち唯一の仙術家・入雲龍公孫勝にゅううんりゅうこうそんしょうの師。



 
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