和菓子と日本の行事    

                                         

           私たちが和菓子を食べるのはどんな時ですか?
           多分七五三や端午の節句などの行事の時によく口にすると思います。
           けれどどうして「ひな祭りには菱餅」「七五三では千歳飴」なのでしょうか?
           それには各行事の時に何を食べるかという事にはそれぞれ由来、願い事が込められているのです
           そこでこのページでは100年の歴史を経てどんな行事の時にどんな和菓子を食べるのかを紹介します。
                

        1月        ●正月=年賀の和菓子花びら餅・笑顔饅頭など・・・)

                            ●鏡開き=お汁粉

                            ●成人の日=祝菓子

      2月          ●大寒=寒餅・元気餅

                          ●節分=立春大福・福豆
           節分(豆・豆菓子)
           節分はわたしたち日本人によく親しみのある行事の一つです。
           毎年「鬼は外、福は内」と豆まきをします。そして厄を払うため
           に年の数だけ豆を食べ
ます
         
   3月     ●雛節句=菱餅雛あられ・桜餅・道明寺

      
 菱餅       
      紅、白、緑の3色の餅を重ねて菱形に切ったものです。
      この3色はそれぞれ桃の花、雪、草木をあらわしているとも言われています。
      江戸時代頃からひな祭りで飾られるようになり、明治時代頃までには3色の他に
      2色や5色の菱餅もあったようです。 


        ひなあられ
      小さく切った3色の餅を煎って砂糖をまぶしたあられの事です。

 5月    ● 端午の節句=柏餅ちまき

         柏餅
             柏の葉は食べ物を盛るのに都合がよく古くから食器として使われました。
             江戸時代から柏餅は端午の節句には必ず備えられ、桜餅とならんで年中
             行事の中の代表的な和菓子になりました。

          ちまき
             中国の風習を取り入れ、端午の節句にちまきを供えるようになりました。
             
また日持ちがして、手軽に出来ることから携帯食糧としても用いられ、千巻・
             茅巻と称して、もち米を茅の葉や熊笹で三角形に包み蒸しあげて食しました。       


   6月   ●母の日=季節の和菓子     

            ●彼岸=おはぎ・十六団子

                      花祭=花まんじゅう・いただき

          
越の祓水無月  

        水無月

             昔から日本では夏の始まりである6月1日を氷の節供をして
            氷を食べて夏の厄病除けをしていたそうです。これから氷餅や凍餅を贈る
            習慣が生まれました。そして今、京都では6月30日(水無月晦日)氷に見
            立て三角に切った白ういろうに小豆をのせた水無月を食べて邪気を払うのです。

                ●父の日=季節の和菓子

           和菓子の日

              6月16日は和菓子の日です。室町時代末ごろから、
            この日に金十六文や米一升六合で菓子を買って贈り合うと福があるされま
            した。これは仁明天皇の時代の故事に因んだものです。使われた菓子は時
            代や身分によって様々なので、きっと室町時代の人はそれぞれ贈り物をし合
            っていたのでしょう。

   7月     ●七夕=たなばた餅

                 ●中元=和菓子全般

                  ●土用=土用餅

        土用餅

           丑の日に鰻を食べるように、和菓子の世界では土用餅
         というあんころ餅を食べます。夏の疲れを甘いものが癒してくれるのです。

 8月   ●盂蘭盆団子・饅頭等

          盂蘭盆(うらぼん--いわゆるお盆)には仏様に花や精進料理と共にお迎えのお菓
         子を供えます。祖先の霊を供養するこの儀式は日本人が最も大切にしている行事
         の一つです。

             ●帰省=郷土の和菓子

 9月
        ●敬老の日=養老まんじゅう・季節の和菓子

                    ●秋彼岸=おはぎ・団子

           おはぎ

        春と秋のお彼岸にはおはぎをつくって仏前に供えます。小豆餡、
       胡麻餡、きな粉など様々な味があります。春の彼岸には牡丹餅(ぼたもち)、
       秋の彼岸はお萩(おはぎ)という説もありますが、これは後世になって考えられたもので、
       おはぎとぼたもちには厳密な違いはないようです。

                    ●十五夜=団子

         月見団子
        旧暦の8月15日、新暦の9月13日の月を中秋の名月といい、
      ススキと月見団子を飾って月見をする習慣があります。月見
      団子は月を模してまんまるに作り、お馴染みのピラミッド型に
      積み上げますが、その数や積み方にも地方によって色々な形があるようです。

                   ●十月亥の日=亥の子餅

   亥の子餅

      旧暦の10月の最初の亥の日亥の刻、亥の子餅を食べる風習があります。
     これは猪が多産なことにあやかって安産や子孫の繁栄、無病を願うものです。

             
                

  10月

        ●重陽の節句=着せ綿

      着せ綿

      赤いこなしで菊の花をつくり、その上にそぼろをのせた練切のの事です。
     旧暦の
9月9日(重陽の節句)の前夜、菊の花に綿をかぶせてその露と
     香りのする綿で顔を拭うと寿命が延びるといわれたことに由縁して生まれた和
菓子です

    11月   ●七五三=千歳飴、祝菓子

     千歳飴

       3才の女の子は髪を伸ばし始める日、5才の男の子は袴をつけ始める日、
      7才の女の子は大人の着物で帯をつけ始める日として、11月15日、それ
      ぞれ成長の節目としてお祝いをします。この時紅白2本の細長い飴、千歳飴
      に我が子の長寿を願います。

                  ●歳暮=和菓子全般

    12月   ●餅つき=餅
           丸餅
       師走の頃になると正月用の餅をつきます。ただし、29日は苦餅、31日は一夜餅といわれて
      餅つきは避けます。

   


   
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     <参考文献>
    ・参考にした情報・・・「和菓子暦」
    ・参考にしたURL・
・http://www.wagashi.or.jp/calender.htm 全国和菓子協会