教養は男性と女性で異なっていました。
男性は官僚貴族として身を立てるため、漢詩文の教養が絶対に必要でした。次に有職故実(ゆうそくこじつ)という、
宮中行事の決まりに通じていることも大変重要でした。
そのほか、習字、音楽、和歌が一般教養として求められていました。
女性は情操面が重んじられ、和歌、習字、音楽に通じていることが求められました。
和歌の上達のため、歌集の暗記も大切でした。
そのほか、和歌を書くのにふさわしい紙の色や質、墨の濃淡の工夫、
センスよく衣服の色目を選ぶこと、すぐれた香を合わせる能力、
普段の立ち居振る舞いについての心得も重要でした。