平安貴族達は、何を食べていたのでしょうか。

当時は食事を一日に二回とるのが正式で、朝食は午前十時、夕食は四時頃でした。
(ただしこれは貴族についてのことです)




    
主食はお米です。強飯(こわいい)といってお米を蒸しておこわのようにしたものが正式でしたが、
姫飯(ひめいい)といって今と同じように水で煮て食べるもの、これに水や湯をかけて食べる
水かけ飯・湯漬け、粥、祝い用の餅もありました。

おかずは調理方法や保存方法が未発達だったので今よりもかなり少なかったようですが、
野菜、肉、魚貝類、海藻など割と豊富でした。
野菜が主流で、ウリ、ナス、サトイモ、マメなどがよく使われました。また、現在私たちがよく口にする
野菜(ジャガイモ、サツマイモ、ハクサイ、タマネギなど)はまだ日本に伝わっていなかったので、
ハコベ、フキ、ミョウガなどの野草も野菜として利用されました。
肉は仏教で食べることを禁じられていたので食べることをためらったようです。
鳥類のものが大半で、キジ、カモ、シカ、イノシシ、ウサギなどがありました。
生で食べることはほとんどありませんでした。魚は干物や塩漬けが多く食べられました。

デザートもあり、果物や揚げ菓子、蜜や甘葛煮(あまずらに)などがあります。
また、菓子といえばクリ、カキ、モモなどの果物を指しました。

調味料としては塩、酢、味噌を使い、甘くするときは蜜や甘葛を用いました。砂糖はありませんでした。

食事は三つに分けられ、右に主食、中央に副食とデザートが置かれました。

決められた時間に食べ、暴飲暴食を慎む。これが当時のエチケットでした。
そのため、粗食であることもあって、栄養失調になる人が多く、そのため顔もむくんで
おたふくのひとが多かったそうです。