考えてみよう

皆さん、一寸法師原文を読んでどれくらい内容が読み取れたでしょうか?
いかに古文を読み取ることが出来たのか。
そして読み取れなかったかもしれないその内容を、考えてみましょう。
一寸法師の物語の復習も兼ねて是非利用してみてください。

一寸法師を『冒頭〜旅立ち』、『都・宰相殿の家』、『鬼退治〜出世』の三つに分けて構成しました。わかりやすいように問題にかかわる本文も載せておきます。
また、解答を見る場合、リンクには新しいウインドウが開くようになっています。見るごとにウインドウを閉じていただけると嬉しいのですが、スクロールバーが付いているのでそのままにしておいて(つまりそれ以降『解答』のリンクを押さない)順に下へ降りていっても解答としてお使いいただけます。まだ解いてない問題の解答を見たくないという方には少し申し訳ありません。がご了承ください。

◎冒頭〜旅立ち

まずは考えてみようその1から。本文はこのようになっています。

 中ごろのことなるに、津の国難波(なには) の里に、おほぢとうばと(はべ)り。

うば四十に及ぶまで、子のなきことを悲しみ、住吉(すみよし)(まい)り、なき子を祈り申すに、大明神(だいみょうじん)あはれとおぼしめして、四十一と申すに、ただならずなりぬれば、おほぢ喜び限りなし。やがて十月と申すに、いつくしき男子(をのこ)をまうけけり。

さりながら、生まれおちてより後、背一寸(いっすん)ありぬれば、やがてその名を一寸法師(いっすんぼうし)とぞ名づけられたり。年月を()るほどに、はや十二、三になるまで育てぬれども背も人ならず、つくづくと思ひけるは、ただ者にてはあらざれ、ただ化物風情(ふぜい)にてこそ(そうら)へ、我らいかなる罪の(むく)いにて、かやうの者をば住吉(すみよし)よりたまはりたるぞや、あさましさよと、見る目もふびんなり。

夫婦思ひけるやうは、「あの一寸法師(いっすんぼうし)めをいづ方ヘもやらばやと思ひける」と申せば、やがて一寸法師(いっすんぼうし)このよし(うけたまわ)り、親にかやうに思はるるも口惜(くちお)しき次第(しだい)かな、いづ(かた)へも行かばやと思ひ、刀なくてはいかがと思ひ、針を一つうばに((たま)へば、取り出だし()びにける。


この段落から読み取って欲しいことは・・・解答欄を設けましたので、覚え書き程度に書き込んでみてください。
また、欄内の文字や「?」を選択すると、ヒントが書かれたメッセージボックスが現れます。参考にしてみてください。
(文字を選択するには、欄内でマウスのボタンを押さえたまま動かしてみると出来ます。)
押さえて欲しいポイントは以下のとおりです。

考えてみようその1
●物語について
時、場所、登場人物は?
●その後のおおじとうばの気持ち
一向に大きくならない一寸法師に対して・・・

●どうしてうばは住吉大明神へ?
●その後の一寸法師の気持ち

●生まれてきた子供の様子は?

解答

などです。この辺りは現代語と似た表現が沢山あるので、分かりやすかったのではないでしょうか。
出来ましたか?解答で正しい答えをチェックしてみましょう。

すなはち麦わらにて柄鞘(つかさや)をこしらへ、(みやこ)へ上らばやと思ひしが、自然(しぜん)船なくてはいかがあるべきとて、また、うばに「御器(ごき)(はし)べ」と申しうけ、名残惜なごりおしくとむれども、立ち出でにけり。
住吉の浦より、御器ごきを船としてうち乗りて、(みやこ)へぞ上りける。
  
 住みなれし難波なにはの浦を立ち出でてみやこへいそぐ我が心かな
 
次はとうとう物語の舞台が一寸法師の生まれた場所から移動します。一寸法師はどのような心境なのでしょうか。
一寸法師の読んだ歌(住みなれし〜)に、一寸法師の気持ちが良く表れています。

考えてみようその2
●そして一寸法師は?

解答

冒頭の一寸法師の内容はしっかり読み取れていましたか?古文でも、よく考えて読めば意味が取れる部分がありますよね。
針の刀、おわんの船に箸のかい・・・一寸法師の定番要素が登場したところで、次は都での一寸法師の冒険です。

考えてみよう2、都・宰相殿の家