銀河鉄道巡りの旅
+ 白 鳥 の 停 車 場 +

 「おっかさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか。」
いきなり、カムパネルラが、思い切ったというように、少しどもりながら、急きこんで云いました。
 ぼうっと青白く後光の射した一つの島の平らないただきに、立派な眼もさめるような、白い十字架がしずかに永久に立っているのでした。
 「ハルレヤ、ハルレヤ。」
どの人もつつましく指を組み合せて、そっちに祈っているのでした。

 汽車はだんだんゆるやかになって、間もなくプラットホームの一列の電燈が、うつくしく規則正しくあらわれ、それがだんだん大きくなってひろがって、二人は丁度白鳥停車場の、大きな時計の前に来てとまりました。



二十分間の停車、列車を降りてそこらへんを歩こう…⇒