青函トンネルの新技術

世界最長の海底トンネル「青函トンネル」を造るために、最先端の技術を集めた、さまざまな新技術が開発された。その代表的なものが、”地盤注入”、”吹付コンクリート”、”先進ボーリング”の3つです。この3つについて紹介します。

(1).地盤注入
海底トンネルを造る場合、一般によく知られている山岳トンネルとは違い、上に海という無限の水源があるので、一度水がトンネル内に入ると自然に水が止まることは、まずないです。また、青函トンネルの場合、最も深いところで水深240mにもなるので、掘るときの水圧もかなりすごいものになります。なので、岩盤の割れ目をふさいで湧水を止める必要があります。その方法が地盤注入です。
注入に使用する材料は「高炉コロイドセメント」を水に溶かした「セメントミルク」と「水ガラス(ケイ酸ソーダ)」です。この二つが混ざり合って、岩盤の割れ目に浸透して固まり、湧水を防止するのです。
注入は本坑の場合、一回に堀削する約70m前方までと堀削半径の3〜5倍の範囲に注入します。約70m注入したら50m進み、また同じように注入します。約70m前方に注入するのは、次の注入の時、以前に注入した部分で水圧に対抗するためです。
つまり、「注入→堀削→注入→堀削」という風に繰り返していくことで、トンネルを造っていくわけです。


地盤注入の様子です。すごく大きな機械ですね。







(2).先進ボーリング
昭和21年から地質調査が始められ、ドレッジングや潜水艇での海底の地質観察、海底の深いところまで調べるための弾性波や磁気による調査を行いました。その調査を基に作られた地質図は、実際の地質とそれほど大きな違いのない正確なものでありました。しかし、海上からでは岩石の性質や湧水の状態を正確に調査するには限度があるので、そこで長孔先進ボーリングが開発されました。
普通、ボーリングは地表から下向きに掘りますが、海底トンネルでは海上から深い海の底に向かって掘るのは非常に困難です。なのでトンネルの中から前方に向かって水平にボーリングを行うことになります。しかし、ただ水平に長く掘るとしても重力の影響を受けるので、次第に下向きになってしまい、トンネルから離れていってしまいます。どんなに長く掘っても、トンネルから離れた所の地質を調べることになるので、意味がありません。そうならないよう、いろいろな機械や道具を工夫して、2000mまで正確に堀削できるようになりました。このボーリングでの最長記録、2150mは、おそらく水平ボーリングの最長記録になります。



先進ボーリングの様子です。地道な作業ですね。








(3).吹付コンクリート
トンネルというものは、掘ったままにしておくと地質が非常に良い場合以外は、岩盤が緩んで潰れてしまいます。そうならないために、普通はあらかじめセットした型枠に液状のコンクリート流して固めることで、トンネルの内面をコンクリートで覆う方法を用いますが、これでは型枠をセットするために時間がかかり、コンクリートで覆うまでにかなりの時間を必要とします。地質が悪い場合はなるべく早く覆う必要があるので、そこで考えだされたのが吹付コンクリートです。
吹付コンクリートとは、その名の通り直接トンネルの壁に吹き付けて固めるというものです。吹き付ける物は、「セメントと骨材(砕石や砂)と凝結剤」をミキサーでよく混ぜて、ホースの先端ノズルで水と混ぜたものです。この方法は外国で発明されたものですが、日本で初めて実用化されたのが、この青函トンネルです。



これは吹付コンクリートの様子です。すごい量をかけているんですね。

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