青函トンネルを作る3つの坑道

青函トンネルは本坑・先進導坑・作業坑の三つから出来ています。


本坑
本坑は昭和46年9月27日に着工し、昭和60年3月10日に完成しました。
新幹線を複線で通ることができるようになっていますが、在来線は2本のレールの間隔が1067oで、新幹線は1435oなので、新幹線を同時に通行できるようにするためには片側に3本のレールを敷くことになります。また、全長は53.85qのうち海底部は23.3q、陸上部は本州側13.55q、本道側は17qとなっています。
本坑の断面積は作業坑、先進導坑に比べて4倍ほど大きいためそれだけ掘るにも時間がかかります。そこで作業坑、先進導坑から約600mおきに連絡横坑を設置し、一度にたくさんの場所を掘れる様に工夫しました。
ちなみに、普段言っている『青函トンネル』とは、本坑のことを指しています。

先進導坑
先進導坑は初め、海底トンネルを掘ることが出来るかを調査するための『調査坑』という名前でしたが、昭和46年9月に工事実施計画が認可された後、『先進導坑』と改称されました。
昭和42年3月4日に本道側から掘削が開始され、昭和58年1月27日に貫通しました。全長は竜飛側11.4q、吉岡側11qで、二つをあわせると22.4qとなっています。
先進導坑の当初の目的は海底トンネルを掘るためのいろいろな新しい技術を開発するためでしたが本坑の工事の開始により
1・作業坑、本坑を掘るための情報を集める調査坑道
2・工事中の換気・排水のための坑道
3・本坑を掘るための人や資材を運ぶための作業坑道
と、かなり重要な役目となっていました。現在では、排水と換気のために使われています。

作業坑
先進導坑の土の大きい海底下の調査をする目的に対して、作業坑は土かぶりの小さい海底下の調査をする目的で『補助調査坑』として掘られ、昭和46年9月に工事実施計画が認可された後、『作業坑』と改称されました。
昭和43年12月27日に本道側から掘削が始まり、昭和54年9月21日に先進導坑に合流して貫通しました。
本坑から30m離れほぼ平行に連絡横坑を設け、本坑を掘るための作業員や資材、機材や掘り出された岩石の搬出のための通路となっていて、本坑を掘るための時間短縮を計りました。
全長は18.8qとなっており、海底中央部の両側で先進導坑と合流しています。また、開通後は保守作業用の通路として使われたり、後に通信ケーブルなどを敷設することも可能となっています。




少し見にくいですが、各坑道の大きさです。これをみるとやはり、本坑は大きいですね




その他の坑道

斜坑
陸上や海上では海底トンネルを掘ることがどうなのかわからないため、昭和39年5月8日に実際に海底下を調査するために本道側に掘られた坑道です。
この調査によって掘る事が可能とわかった後は本坑や作業坑、先進導坑を掘るための資材の搬入や排水管敷設、換気経路、災害時の非難、救援通路として利用されています。

立坑
本坑や作業坑、先進導坑を工事していくうちに、作業員や資材の搬入出が斜坑だけでは間に合わなくなったために立坑が設置されました。
JR津軽海峡線開業後は、列車火災時の排煙坑道として利用されています。


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