「矛盾」(むじゅん)
                              (出典:韓非子)

「つじつまの合わないこと」を「矛盾」と言います。

このたとえ話を考えついたのは、「韓非」(かんぴ)という2300年近く前の人です。中国を最初に統一した「秦の始皇帝」のブレーン(政策などに意見を述べて助けた人)の一人で、「」によって国を治めようと考えたことから「法家」(ほうか)と呼ばれます。

韓非は、国がなかなかまとまらないのは当時の主流だった考え方に、つじつまの合わない点があるからだと考えました。そこで、それをわかりやすく説明するためにこの「矛盾」のたとえ話を考え出したのです。そして、誰にもわかりやすい「法」こそ国をまとめるのだと説きました。

彼の思想は始皇帝によって採用され、中国統一の大きな原動力になりましたが、少し厳しすぎたのか、その後はあまり広まりませんでした。

なお、この話の作者名は「韓非」。書いた本の名前は「韓非子」です。ちょっとややこしいですね。

《用例》
 鉄は固くすれば固くするほど折れやすくなるんだって。なんか矛盾してる感じがするよね。
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