「トンパ文字」は現在全世界で唯一、今も使われている象形文字である。字形が大変面白く、日本で静かなブームにもなっている。 この文字が記録されたものを「経典」という。(元トンパ文字はトンパ経が元となっている)その経典は各ページ普通三段、その段もまた駒で区切られている。経典を見ていると、セリフの無い漫画のようなユニークさにあふれている。しかし経典はそれ以上の大切な歴史を、我々後世の者に確かに伝えている。 経典と言っても堅苦しいお説教ではなく、昔話や儀式・占いなどの記録もある。それらは表現力が多彩で、聞いていて飽きないような内容だ。また医学、天文学についてもすべてトンパ文字で記されている。 我々はこれらの文字を「トンパ」と呼ぶが、この文字に日常的に触れるナシ族違う。「ソ・チオ・ル・チオ(樹の記録・石の記録)」という。つまり、樹なら樹、石なら石の形をそのまま描画する―――象形文字のことである。
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