B狼男伝説・起源

西洋では古くから、月の光に対し魅惑的で恐ろしいイメージを持っていたため、狼男の伝説が生まれたと考えられます。古代ローマ人は、月の女神を怒らせたために狼に変身すると考えられていたようです。

ある心理学者の意見によると、狼男伝説の起源が、遠く人類が狩猟を始めた頃までさかのぼる、という魅力ある説を述べているので紹介します。

われわれの祖先は始めは菜食主義で、肉類をまったく食べなかった。しかし、環境の変化により食べ物が手に入らなくなってきた。そこで、狩猟が必要となってしまった。状況に強いられたとはいえ、狼と同じ狩猟を始めざる終えなくなった人間は、いつしか狼の競争関係にはいっていった。祈とう師が狼の力にあやかりたいと考え、儀式をするようになった。
狼と人間の関係には別の側面もあった。狼たちは人間の後を追って残り物を食い漁った。こうして多種多様な狼の中から、まず犬が飼いならされるようになった。
狼はこうして、われわれの祖先が菜食主義を捨て肉食の生活に入ったことの象徴となったのでる。
しかし、気候が変わり農業が盛んになると、他の家畜を飼うことが一般化した。そこで人間の肉を食べたいと言う欲望は、 自然と狩猟なしで満たされるようになった。こうして狼は厄介もので、農民や遊牧民の家畜を盗む山賊と成り果てた。 狼は文化的象徴としての地位を失ってしまった。
ある村はそこで一人の男を狼達へ使者として送った。男は8年にわたって狼男となり、狼たちが羊の群れや子供を襲わないように説得しつづけたのだ。
その役割もだんだん忘れ去られてしまった。狼は文明の敵となり、狼は社会からうとんじられた。
恐ろしくまた同時に哀れを誘う点で怪物の原型である。狼男は、満月の夜に月の引力を満身に感じながら狩猟を始めた人々の血の染み込んだトラウマを、新鮮に思い出すのである。

@月齢と出産の関係
A満月・新月に増加する事件事故

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