古くから人々に関わってきた月の存在は、近世に多くの神話を残しました。日本では『かぐや姫』が有名で、かぐや姫が月から来たという設定は昔の人々の月に対する思いを感じます。真っ暗な夜空にぽっかりと浮かぶ月の存在は、とても神秘的なものだったのでしょう。きっとそこには私たち人類と似た生命がいるに違いないと考えたのも分かる気がします。
しかし、月に対する感じ方は西洋と東洋においてずいぶん異なります。西洋においては、昔から月には神秘的な魔力があると信じられ、不吉な存在として月の光を恐れられてきました。青年が月の光を浴びて狼に変身する狼男のお話は、西洋の月に対する考えがよく表れています。
一方東洋においては、月に対して憧れと親しみを抱き、また風流を感じて、古くから日本においても和歌に登場します。日本最古の物語である『竹取物語』では、月の光があまりに清浄のため、じっと見つめると魂を抜かれると言われたほどです。
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